第3章 生まれてきてくれて…
花子と白ひげの再会を祝し、モビー・デェック号では宴が盛大に開かれた。失神していた隊員達も花子が白ひげの旧友と知り、甲板にめり込むのではないかと思う程の土下座を披露したのは、つい先程の事。
「あなたの息子はいい子達ばかりね。」
「あぁ…俺の自慢の家族だ。」
楽しそうに騒ぐ息子達を見つめる白ひげの目はとても柔らかく、今の彼を見たらロジャーはどう思うだろうとクスリと笑い酒を呷る。
「花子ちゃあん♡サッチさん特製!愛のおつまみセットだよ~!」
「ありがとう、サッチ。」
「くぅ~!その美しい微笑みが眩しいぜっ!」
宴が始まってすぐ各隊長を紹介してもらった。見知った顔もあったが、サッチとは初対面で白ひげと仲睦まじい様子の花子に興味津々な様子。
「ふふっ、本当にサッチはいい子ね。」
「はぁっ…!俺、美人から頭撫でて貰ってるっ…!?」
デレデレと顔をダラしなく緩ませサッチはご自慢のリーゼントをハートの形に変化させている。くすくすと笑いサッチの頭を撫でているとその手を誰かに掴まれた。
「止めとけ、フランスパンが移る。」
「移んねぇよっ!?てか、お前もパイナップルだろ!?」
鼻息荒く絡んでくるサッチを無視しマルコは花子の隣に腰を下ろす。ぶつぶつと文句を垂れるサッチだったが、一緒に宴に参加しているナースに呼ばれそちらに向かった。
「彼、面白い人ね。」
「余り甘やかすな、調子に乗る。」
「あらマルコ、拗ねてるの~?撫でてあげようか?」
「…止めろい。」
手を伸ばすも身長差で彼の頭には届かず、からかう様に頬を撫でる花子にマルコはこの酔っ払いがとその手を払う。
「それにしても…マルコ、あなたいい趣味してるわね。」
「あ?」
「彼女達の格好。あれ、マルコの趣味?」
花子の指差す方には隊員と談笑しているナース達の姿。ピンク色のナース服は肉感的なボディラインが露となり、短い丈の裾から覗く豹柄のニーハイを履いた足は艶かしく彼女達の魅力を引き出している。
「違ぇよいっ!?」
「あら?じゃあ、ニューゲード?」
「…知らねぇ。」
「親父っ?!」
あらぬ疑いを掛けられそうになり全力で否定するマルコに対し、白ひげは決まりが悪そうに顔を背けた。