第16章 ガレオン船
落ちてきたガレオン船が探検隊の船なら"空島"の証拠や記録が残っているだろうが、既に殆ど船は沈んでしまっている。ふと廃船に目をやるとはしゃいでいたルフィが海に落っこちていた。
「あんた達、何やってんのよ!」
「てか、花子の様子おかしくねぇか?」
普段なら海に落ちる前に花子が回避するところだが、ユラを抱き締めたまま1歩も動いていない。ルフィはウソップが回収し何やら嬉しそうにはしゃぎながら彼等は朱雀の背に乗り戻って来た。
「皆!これ見ろ!すげぇの見付けた!」
朱雀の背から飛び降り興奮気味に声を上げるルフィの手には1枚の紙が握られている。それを目にしたナミ達は驚愕の声を上げた。
「「「"空島"の地図?!」」」
「やったぞー!"空島"は本当にあるんだ!」
「夢だ!夢の島に行けるぞー!」
「夢の島ー!」
疲れた様子の花子を他所にルフィ達は"空島"の地図を眺め大はしゃぎしている。しかしナミが世の中には嘘の地図は沢山あるから可能性にすぎないと忠告すると、顔を青くさせこの世の終わりの様に落ち込んだ。
「嘘!…あるある、行き方が分からないって話。」
「航海士だろ!何とかしろ!」
「何とか出来る事と出来ない事はあるわよ!」
無茶苦茶な事を言われ駄々を捏ねるルフィの頭にナミの拳が振り下ろされる。出来るだけ情報を集めたい所だが頼みの船は海の底。
「ウソップ!あんた潜水服ぐらい作れるでしょ?息が出来ればこの3人なら死にゃしないわよ。」
「はぁ?」
「サルベージが無理ならこっちが泳げばいいのよ!」
このグランドラインの海を潜る事は何が起こるか分からない危険な行為だ。ナミの提案に皆困惑するがそれしか方法が無いのだから仕方がない。
「ウソップ!ユラのも「駄目よ。」
「うぅ〜…おかあさん〜…。」
「そんな顔しても許しません。」
先程と同じ様に上目遣いで花子を見つめるが今度は上手くいかなかった。ガクリと肩を落とすユラに今度、玩具を作ってやるとウソップは苦笑いを浮かべながら頭を撫でた。
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「よぉし!これで完成だ!」
あっと言う間に3人分の潜水服を作ったウソップはルフィ達を呼び寄せた。潜水服に着替えたルフィ、ゾロ、サンジは潜る準備に取り掛かる。
「それじゃ幸運を祈るわよ!」