第16章 ガレオン船
探検だとはしゃぐルフィ達は期待のこもった目で花子を見つめる。ユラが行くと言う事は必然的に彼女もついて行く事になるのだが。
「…私は遠慮しておくわ。」
「「「ええ〜?!何で〜!?」」」
首を横に振った花子に3人はショックを受けた様に声を上げる。意外な彼女の返答にナミ達も目を丸くしていた。
「おかあさん、何で?!」
「朱雀を一緒に連れて行かせるから。見たところ危ない様子は無いみたいだし。」
「何でだよ!?一緒に探検しようぜ!」
「そ〜だ、そ〜だ!」
いつもなら仕方無さそうな顔をしながらもユラが行くのならと一緒に行くのに、頑なに首を縦に振らない花子は珍しい。
「おかあさぁん…ユラ…おかあさんと一緒がいい〜…。」
「うっ…。」
服の裾を摘みうるうると目を潤ませ見上げてくるユラに花子は言葉を詰まらせる。可愛い娘の頼みは聞いてあげたいが行きたくもない様だ。
「…分かったわ。」
「「よしゃあ〜!」」
「わあ〜い!おかあさん大好きっ!」
「…チョロ過ぎだろ。」
あんなユラを目にしたら結果は分かっていたものの、ガクリと肩を落とし頷く花子にゾロは呆れた様子で呟いた。
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ルフィ達が廃船を探索している間、ロビンが棺の中に入っている骨を取り出し甲板に並べ始めた。
「何か分かんのか?」
「死者と美女ってのも、またオツなもんだなぁ。」
黙々と作業をしていく彼女を見つめているとあっと言う間に骨を復元し1つの頭蓋骨を作り上げた。形となった頭蓋骨を置いたロビンは不自然に開いている穴を指差す。
「ここに開いている穴は人為的なものよ。」
「そこを突かれて殺されたってわけか。」
「いいえ、これは治療の跡。穿頭術でしょ?船医さん。」
「…うん、昔は脳腫瘍を押さえる為に頭蓋骨に穴を開けたんだ。でも、ずっと前の医術だぞ!?」
ロビンの推測だとこの者が死んでから200年以上は経過しているらしい。彼女は持ってきた鞄から本を取り出しあるページを見せる。そこには落ちてきたガレオン船の写真が載っており、この船はサウスブルーの探検隊の船である事が記されていた。