第15章 ビビとの別れ
2人を探しに来たルフィの後を追い花子達は仲間が集まる部屋に戻って来た。
「花子さん、ゾロ!もうっ!何処行ってたのよ!」
「ごめんなさい。少し散歩をしていたらゾロと会って話をしていたの。」
「なぁにぃ~!おい!クソまりも!花子さんに変な事してねぇだろうなっ!?」
「…うるせぇな。」
良いところを邪魔され不機嫌そうな顔をするゾロに苦笑いを浮かべ花子がどうしたのか尋ねると、どうやら今夜ここを発つ予定らしい。
「俺も妥当だと思うぜ、もう長居する理由がねぇからな。」
「…そうだな、海軍の動きも気になる。」
同意するゾロとサンジの言葉にビビは何か考え込む様に俯く。そんな彼女を横目にウソップがルフィに決定権を委ねる。
「よし!もう1回アラバスタ料理食ったら行こう!」
「すぐ行くんだよ!」
さも当たり前かの様に言い放つルフィにウソップとサンジの激が飛び、眠っているユラを花子が抱えていると1人の兵士が電伝虫を片手に入ってきた。
「あの皆さんに電伝虫が…。」
「電伝虫?誰から?」
「【ボンちゃん】…という方です。」
自分達の知り合いにそんな者はいない。警戒しながら受け取った電伝虫からは予想外の人物の声が聞こえた。
《もしもしぃ!?もしもしぃ!!?がーっはっはっは!あーちしよぉーぅ!!》
「「「…。」」」
《あ・ち・しぃー!!》
電話の相手はクロコダイルの部下であるMr.2だった。顔を青くしたサンジが即座に通信を切ったが、間髪入れずにまた電伝虫が鳴ったので今度はルフィが出た。
「オカマか?俺達になんか用か?」
《あんら?その声は麦わらちゃんねーい!アンタ強いじゃなーい!あちしびっくらこいたわ!そーそーあちしの事Mr.2って呼んじゃダメよ。電波が海軍に捕まったらあちし大変だから!》
「…用件を言え。」
正直、世間話をしている程自分達は暇ではないし、そんな間柄でもない。急かすゾロにMr.2は何故か楽しそうに口を開いた。
《あ…そうそう!アンタ達の船あちしが貰ったから!》
「「「ふざけんなっ!!」」」
「あらあら、大変ね。」
とんでもない事を口走るMr.2に一味は声を荒げ花子はどうしたものかと頬に手を当てる。