第15章 ビビとの別れ
花子 side
何で…どうしてロジャーの事が頭に過るのよ…。ルフィとロジャーは違う…でも…ルフィの目が…言葉が…どうしてもあの人と重なってしまう…。
「…ねぇ、ルフィ…約束して…?何があっても死なないって…。」
「そんなの当たり前だろ!俺が海賊王になった後も、お前等とずっと一緒にいるんだ!」
いつか別れが来る時だってある…でも、それは悲しい別れにはしたくない…。
「…まぁ、ルフィの言う通りだ。海賊やってたらいずれ強敵にもぶち当たるだろうよ、腕がなるぜ。」
「安心してくれ!レディ達には指1本触れさせねぇよ!」
「そうよ!ユラも花子さんも私達の大切な仲間なんだから!」
「お、おぅよ!このキャプテン・ウソップに任しとけ!」
「…お前はビビってただろ。」
「俺もっと花子達と一緒にいたいぞ!大丈夫だ!病気なら俺が治してやる!」
皆の優しい言葉にツンと鼻が痛むのを感じる。涙を堪えていると腕の中にいるユラは不安そうに私の顔を見上げていた。
「ユラ、皆と一緒にいていいの?」
「当たり前だろ!」
私が答えるよりも先にルフィが力強く答えるけど、私はユラの本心が知りたい。
「あのね、ユラ。これから起こる事はユラにとって大変な事かもしれない。」
「だから大丈夫だって言ってるだろ!」
「あんたは黙ってなさい。」
しつこいぞと言いたげに声を上げるルフィはナミに任せ、私は話を続ける。病気が進行したら身体に異変が起こるかもしれない…今よりもっと怖い思いをするかもしるない…。
「それでも旅を続けたい?」
もしユラが辛くて耐えられなくなったら私は一緒に船を降りる覚悟は出来ている。でも大事なのはユラの気持ち。
「…ユラ、初めておかあさんとおでかけして楽しかった。怖いこともあったし、びょうきできついのはいやだけど…。」
海に出るって言う事は楽しいばかりではない。怖い事もあるし、今のユラには辛い事も沢山出てくる…。
「みんなにめいわくかけちゃうかもしれない…でも、ユラは一緒にぼうけんしたい!」
「…分かったわ。」
頭の良いユラの事だからきっと自分の立場を理解している筈…。
「ルフィ、皆…色々と迷惑をかけてしまうかもしれないけど…私達を側に置いてほしいの。」
それでもユラが望むなら母親としてこの子の願いを叶えてあげたい。