第15章 ビビとの別れ
ユラと仲直りした花子はルフィ達に全てを話した。ユラの病気は発症しているもののDr.くれはの薬によって進行は遅くなっていると。
「彼女にもこの病気は治せない…だから何としても治療法を見付けないと。」
「キンジは何て言ってんだ?」
「キンジも探してはくれているけど、情報は掴めていないみたいなの。」
「ねぇ、ちょっといい?」
話し合う花子とルフィにナミが手を上げ口を開く。度々出てくるそのキンジと言う人物は何者なのか?2人の口調からして親しい人物ではあると思うが。
「私の同郷でルフィとエースの保護者みたいな感じかしら?情報屋を営んでいるのよ。」
「…まさか…キンジってあの【情報屋】のキンジ?!」
「ルフィ…お前、そんな奴と知り合いなのか?!」
「ん?お前等、キンジの事知ってんのか?」
驚愕した様に声を上げるナミとサンジにルフィは首を傾げる。情報屋のキンジと言えばその顔を見た者はいないが、依頼した仕事以上の働きをすると評判らしい。
「そんなに凄ぇ奴なのか?キンジは。」
「凄ぇってもんじゃねぇよ!?」
「ルフィ知ってるの!?」
「おぉっ!知ってる。」
「どんな人なの?!」
「男だ!」
自信満々に胸を張るルフィの頭をナミはそう言う事じゃないと叩く。聞いた相手を間違えたと期待の眼差しを向けるナミに花子は苦笑いを浮かべた。
「悪いけど…それは教えられないわ。」
「そんなぁ〜…。」
「いつか会うタイミングがあるわよ。それより…。」
話が逸れてしまったが花子は今後の事を伝える。ユラが完治するまでどのくらい時間がかかるか分からないから、もし治療法が見つかれば自分達は船を降りると。
「別に降りる事ねぇだろ!俺達も一緒に行くぞ!」
「…その気持ちはありがたいけど…もう1つ皆に話さないといけない事があるの。」
まだあるのかとゲンナリした様子のルフィに花子は苦笑いを浮かべ真剣な眼差しで口を開く。
「…【ユラヒメ】って聞いた事ある?」
「知らね。」
「私も聞いた事ないわ。」
首を傾げるルフィ達とは別にサンジが昔、バラティエのオーナー・ゼフに海に愛され対話する瑠璃色の瞳の乙女の伝説を聞いた事があると漏らす。その乙女の名が。
「…その【ユラヒメ】が…ユラなの。」