第15章 ビビとの別れ
花子 side
ーなんでほんとうのおかあさんといっしょにいさせてくれなかったのっ!?ー
「っ…!」
涙を流しそう叫んだユラが頭から離れない。あの子をあそこから連れ出したのは私のエゴ…。あの時のユラの姿が昔の自分と重なったから…。
「…貴方みたいに上手くはいかないわね。」
ねぇ…ロジャー…貴方ならこんな時どうしてた?きっと貴方の事だからいつもの笑顔で難無く解決してしまうんでしょうね…。
ーほんとはっゆらのことっ…いらないんでしょっ!ー
違うっ!そんな事無いっ!どんな事があっても私はユラと最後まで一緒に…。
(…でも…ユラはそれを望んでいるの…?)
もし…ユラが望むなら私は…。
「おかあさんっ!」
「ユラ…?」
息を切らし涙を浮かべながらユラが私の元へ駆け寄って来る。どうしたら良いか分からず戸惑っていると、ユラは勢い良く私に飛び込んできた。
「ごめんなさいっ!」
「ユラ…。」
「ひどいごと言っでっ…!ゆらのおかあさんはっおかあさんだけなのっ…!」
叩いてごめんなさい…これからも一緒にいたい…わんわん泣きじゃくるユラに胸が苦しくなった。
「ゆらのことっ…ひとりにしないでっ…!」
「っ!そんな事っするわけないじゃないっ…!」
ああ…私は何て馬鹿な事を考えていたのかしら。この子を見付けた時から一生守り抜くと誓ったのに。
「おっ!仲直りしたかぁ〜?」
「ルフィ…。」
泣きじゃくるユラを抱き上げ落ち着かせていると笑顔のルフィと安心した様な顔の皆が近付いて来た。
「ルフィ…皆も、ごめんなさい。」
「もう喧嘩すんなよ!」
「やっぱり2人はそうでなくっちゃ!」
「仲直りできて良かったぞ〜!」
皆にも心配かけちゃったわね…今度お礼しないと。そんな事を考えていたら、少し落ち着きを取り戻したユラがふと顔を上げた。
「おかあさんっ!大好きだよ!」
ぱぁっと花の様な満面の笑顔のユラはこの世で1番可愛く愛おしい…。
「私も…世界で1番愛してるわ。」
ねぇ…ロジャー…この世で1番の宝を私は手に入れたみたい。
(ところでユラ、その頭どうしたの?)可哀想に…
(ルフィに怒られた!)
(ユラっ!お前、俺のお陰で仲直り出来たんだぞ!?)
(…ルフィ?)ちょっと座りなさい