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海賊王の懐刀

第15章 ビビとの別れ


ルフィがクロコダイルを倒した事により"アラバスタ"の長きに渡る戦いは終止符を打った。今は皆眠っているが彼等が目を覚ましたらどうもてなそうと宮殿中は大慌てで準備を進めている。

「彼等には…感謝してもしきれないな…。」

「はい。」

ビビを無事に送り届けてくれたのみならずこの国を救ってくれた。彼等は海賊ではあるがこの功績をどう後世に残そうとコブラは笑みを浮かべる。

「国王様、少々よろしいでしょうか?」

「うむ、どうした?」

ルフィ達を治療した医師が慌てた様子でコブラの前に現れ頭を垂れる。何かあったのかと尋ねると医師は深刻そうな表情でコブラに耳打ちする。

「?!…それはまことか!?」

「はい…この目で確かに。」

顔を険しくさせ頭を抱えるコブラに医師もどうするべきかと狼狽えている。1つ溜め息を漏らすとコブラは側に控えていたチャカに声をかけた。

「…彼女をここに。」

ーーーーーー
花子 side


国王様が呼んでいると伝えられ私は今、彼がいる部屋の前に案内された。

「国王様、花子殿をお連れしました。」

「…お通ししろ。」

「どうぞ。」

チャカさんに扉を開けてもらい中に入ると玉座に座っている国王様と私達を治療してくれたお医者様がいた。

「国王様、この度は私共に手厚いご待遇ありがとうございます。」

「そんなに改まるな、そなたと私の仲ではないか。」

以前、少しだけ彼とは面識があった。頭を垂れる私に穏やかな口調ではあるがその表情は何か思い詰めた様に険しいものだった。

「花子殿、そなたも彼等同様この国を救ってくれた。出来る限りの事はしたいと思っている。」

「…と申しますと?」

言いづらそうな国王様に首を傾げる。クロコダイルは倒されこの国に平和が訪れた。再建には時間がかかるかもしれないけど、他に何か問題が?

「…国王様、ここは私が。」

「…うむ。」

国王様の側に控えていたお医者様が1歩前に出て私を見据える。探る様な彼の視線に思わず身体を強張らせる。

「花子殿、お久しゅうございます。まさか、また貴女とお会い出来るとは。」

「…。」

にっこりと微笑んではいるものの、彼の目が、口調が…私には冷たく感じた。

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