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海賊王の懐刀

第14章 アルバーナ


「クッ…ハハハッ!どうやらあの餓鬼共といてすっかり腑抜けになっちまった様だな!」

顔を手で覆い高笑いを上げるクロコダイルの額には青筋が浮かびギラギラとした目で花子を睨み付ける。自分のものにならないのなら用はないと興味が失せたのか、彼女から視線をコブラに移した。

「…Mr.コブラ、お前に質問がある。【プルトン】は何処だ?」

「貴様…!何故その名を…!」

【プラトン】。1発の攻撃で島1つを消し飛ばしてしまう程の最恐の古代兵器。それが"アラバスタ"の何処かに眠っていると語るクロコダイルにコブラは何故知っているのかと驚愕する。

「ところで今、国王軍が群がっているそこの宮殿前広場。今日の午後4時半、つまり後30分で強力な砲弾を撃ち込む手筈になっている。」

「正気か貴様…!」

「直径5kmを吹き飛ばす特製弾だ。此処から見える景色は絶景だろうな。」

狂っているとしか思えないクロコダイルの行動にその場の空気が凍り付く。

「朱雀!ユラと一緒に出来るだけ遠くに逃げなさい!」

『しかしっそれでは主がっ!』

「これは命令よ!」

『っ…承知した!』

「おかあさんっ!?」

語気を強める花子に朱雀は顔を歪めるが元の姿に戻るとユラを乗せ天高くへと飛び立った。

「いやだっ!おかあさんっ!ユラも一緒に「ユラ!」

朱雀の背から飛び降りようとするユラに花子はそっと微笑む。大丈夫だ、すぐ戻ると安心させる様に。

「チャカっ!止めてっ!」

「貴様だけはっ生かしておけぬっ!」

「…チッ!」

ビビの悲痛な叫びに振り返れば怒りに燃えたチャカがクロコダイルに向かって剣を振り下ろそうとしていた。彼は悪魔の実の能力者。普通の攻撃では効果はない。顔を歪め花子は2人の間に飛び込んだ。

「花子さんっ!?」

「くっ…ハッ…っ!」

「何故です?!花子殿っ!?」

チャカの剣を刀で受け止め彼を狙ったクロコダイルの鉤爪を鞘でいなす。しかし少し遅かったのか花子の横腹はその鋭い鉤爪に貫かれていた。

「今更俺に媚を売る気か?」

「そんなわけっ…ないでしょっ!」

勢い良く引き抜かれた腹からは血が溢れ出す。痛みに顔を歪めながら花子は嘲笑う様に笑みを浮かべるクロコダイルの横っ面を殴り飛ばした。

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