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海賊王の懐刀

第14章 アルバーナ


花子が苦無を取り出した時、カルーがMr.2に向かって体当たりをした。吹っ飛んたMr.2を睨み付け力尽きた様にカルーはその場に崩れ落ちる。

「ビビ、大丈夫?」

「花子さん?!」

突然現れた花子に驚きはしたものの彼女が無事である事にビビはホッと表情を和らげる。1度ユラを下ろした花子は傷だらけになり倒れているカルーの側に膝を着く。

「よく…頑張ったわね…。」

『ク…クェ〜…。』

自分がMr.2を倒していればカルーが傷付かずにすんだのにと、顔を顰めた花子は力無く答えるカルーの傷にそっと手を翳す。

「反乱はまだ止まるんだろ?ビビちゃん!」

「サンジさん!」

「よくやったな、カルー隊長。男だな。」

側にいたサンジがニッと笑いカルーに声をかける。しかし、その顔は真剣なものと変わり彼の視線の先には怒り狂ったMr.2が怒涛の勢いで向かってくるのが見えた。

「花子さん、ビビちゃんを頼むよ。オカマ野郎は俺に任せろ。」

「分かったわ。…サンジ君、少し屈んで。」

こちらに来るように手招きされ首を傾げながら屈むサンジの頭を撫でた後、花子はそっと彼の額にキスをした。

「おまじない…無茶はしないようにね。」

「…こりゃ百人力だぜ。」

少し照れ臭そうにしているサンジの頭をもう1度撫で微笑んだ花子はユラを抱えビビと共に国王軍のいる宮殿を目指した。

ーーーーーー

宮殿へと辿り着いたビビ達は入口であろう巨大な門の前に降り立った。ここからが本番、そう気を引き締め中に入ろうとした時、花子が朱雀に声をかけた。

「朱雀、人型に変化して。その姿だと皆驚いちゃう。」

『承知した。』

ボンッと音を立て白煙から現れたのは30代くらいの長い赤髪の美しい男だった。彼は自分の姿を確認し1つ溜め息を漏らす。

『いつになってもこの姿は慣れないな。』

「そう?カッコいいわよ。」

「すざく、かっこいー!」

「綺麗…。」

その美しさにビビがほうっと見惚れていると朱雀はニヤリと笑みを浮かべ彼女の手をそっと取った。

『そなたに比べたら我など月とスッポン…美しき姫君。』

「えっ?!あの…!」

ちゅっと手の甲に口付けされビビは顔を真っ赤にし朱雀の行動に花子は頭を抱えた。

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