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海賊王の懐刀

第14章 アルバーナ


クンフージュゴンの助けを借りた麦わらの一味は無事、サンドラ河を渡る事が出来た。しかし、目の前に広がるのは広大な砂漠。

「どうしましょう…マツゲは頑張っても乗れるのは3人だし…。」

「朱雀も皆乗れるかどうか…。」

このまま走ったとしても反乱軍が"アルバーナ"に着くまでに間に合う事は出来ない。どうするか悩んでいると砂漠の向こうから数体の影が近付いてくるのが見えた。

「何か近付いてくるぞ!敵かっ?!」

「!…違う!あれは…カルー!それに【超カルガモ部隊】!迎えに来てくれたのね!」

『クェー!!』

颯爽と現れたのはカルーを隊長とするアラバスタ王国最速集団【超カルガモ部隊】。これで"アルバーナ"まで最速で向かえると喜ぶ仲間を見つめ花子が口を開く。

「ねぇ、これから反乱軍を説得する為に向かうのよね?」

「えぇ!でも、カルー達なら大丈夫!」

「じゃあ、B.Wもそこで待ち構えているって事よね?」

何を当たり前の事を今更言っているのかと首を傾げる仲間をよそに花子は地面に"アルバーナ"に見立てた図を描く。

「別々で行った方がいいんじゃないかしら?全員でB.Wに会ってしまったら反乱軍を止める時間が無くなってしまうわ。」

「確かにそうね。」

「ビビ、"アルバーナ"に入れるのは1ヶ所だけ?」

「ううん、5ヵ所あるわ。此処からだと【西門】【南西門】【南門】の3つから入れると思う。」

「それなら3組に分かれましょう。ビビ以外の皆が3つの門から入って敵を反乱軍から引き離す。相手は男女ペア2組とMr.2だけの筈だから1組ずつ誘き寄せて。その間にビビと反乱軍のリーダーが接触出来れば敵に邪魔されずに説得出来るかもしれないから。」

すらすらと作戦を立てる花子に皆ポカンと口を開け言葉を失い見つめていた。

「私とユラはビビについて行くわ。何かあっても私が敵を引き付け…どうしたの?」

「いや…。」

「何か手慣れてるなと思って…。」

呆然としている仲間に花子はハッとし苦笑いを浮かべた。

「まぁ…経験の差かしら。」

「年の功って…いやっ!何でもねぇっ!」

「兎に角!この作戦で行きましょう!」

感心した様に呟くウソップだったか花子の無言の笑顔に慌てて目を逸らす。作戦は纏まった麦わらの一味は"アルバーナ"を目指した。

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