第14章 アルバーナ
ハサミと命名されたヒッコシクラブに乗り砂漠を横断する一味の目の前に大河が現れた。
「ところでビビ、このまま河を渡っても平気なの?」
「…駄目よ!このままじゃ河を渡れない!」
ヒッコシクラブは砂漠の生き物だから水は苦手らしい。万が一河を渡れたとしても"アルバーナ"まで後数十kmはある。走って砂漠を超えられたとしても間に合わない。
「何とかして!ハサミくぅん♡」
「…ナミ。」
「そうだ!ハサミは踊り子のが大好きだ!」
突然、ナミが上着を脱ぎ踊り子の姿になった。忘れていたがハサミはマツゲの友達。つまり、エロい。その証拠にナミの姿を見たハサミは目をハートにさせ一気に加速した。
「まだまだよ!」
オマケと言わんばかりにナミはビビの上着も剥ぎ取った。花子にも手を伸ばそうとしたが彼女の無言の圧力に即座に手を引っ込める。
「ナミすわぁん♡ビビちゅわぁん♡」
『ヴォフーンッ♡』
「…なんか余計な2匹まで壊れてんぞ。」
「ナミさん!!」
「これでスピードが上がったんだからいいじゃない!」
格段にスピードを上げたハサミはそのまま着水する。このまま沈むかと思いきやハサミの勢いは衰える事無く水面を走り抜けて行った。
「えっ…おい!すげぇぞ!このカニ!水上を走ってる!?」
「エロパワーだぁっ!?」
「えろぱわーっ!」
「…ユラ、そんな言葉使わないの。」
奇跡だと喜ぶウソップ達だったがやはり水が苦手なのかハサミは段々とスピードを落としその巨体は沈み始めた。
「おい!沈んでるぞ!」
「気のせいだった!」
「…はぁ…この手は使いたく無かったけど…。」
ぎゃあぎゃあ騒ぎ立てるウソップとチョッパーをよそに重い溜め息を漏らした花子が素早く印を結ぶ。ボンッと音を立て舞い上がる煙の中から現れたのは。
「ハサミくん…頑張って…♡」
「「「ぶぅーっ?!」」」
「えっ?!誰っ?!」
黒髪の全裸の女だった。大事な所は煙で隠れているものの、その刺激的な姿にマツゲとサンジは鼻血を吹き出し。あのゾロでさえぎょっと目をひん剥いている。
「てぇっ!沈んでんぞっ?!」
「あら、刺激が強かったかしら?」
「何してんだっお前は!?」
全裸の女の姿はハサミにとって刺激が強かったのだろう。目を血走らせ失神したハサミはそのまま河に沈んでいく。