第13章 ユバ・レインベース
花子 side
「そんなにあの餓鬼共が大事か?弱く只粋がるだけしかできねぇあんな小物が。」
「弱い…ね…。」
理解が出来ないと言った様子でクロコダイルは檻の中で騒いでいるルフィ達を見据える。
「あなた…人の上に立っているのに見る目無いわね。」
「…何だと。」
この人は何にも分かっていない。ルフィの力を…仲間を助ける為に全力で敵に立ち向かう思いを…。
「今ここであなたを倒す事も出来るけど…それは私の役目じゃない。」
「…あの餓鬼に俺が負けるとでも?」
「あら、そう聞こえなかったかしら?」
ナメられたものだと顔を顰めたクロコダイルはそのまま部屋を出て行く。閉められた扉から視線をルフィ達に移し私は下に飛び降りた。
「花子ーっ!早く何とかしてくれぇー!?」
「死ぬーっ!!」
「はいはい、ちょっと待ってね。」
「花子さんっ後ろっ!」
檻の中で騒いでいるルフィとウソップ君に答えているとバナナワニが大きな口を開けて襲って来た。まったく…躾がなってないわね。
「さあ…ワニちゃん…お仕置きの時間よ。」
ーーーーーー
何匹いるのよ…まったく。あら方仕留めたけどバナナワニは次から次へと湧いて出てくる。
「こぉらぁー!かかって来なさいっ!この馬鹿ワニーっ!!」
「ちょっ、ナミ?!」
突然、ナミがバナナワニに向かって叫んでいた。彼女の挑発に乗ったバナナワニは怒った様子で檻に突進していく。
「あいつ等を怒らせてこの檻を壊させるのよ!」
「「なるほどっ!」」
「いや、成る程じゃない!」
ナミの提案にルフィとウソップ君は名案だとバナナワニ達を挑発し始める。確かに檻は壊せるかもしれないけどユラが危ないじゃない!
「食事中は極力音を立てませんように…【アンチマナーキックコース】っ!」
1匹のバナナワニが檻に向かって突進しようとした時、床から何かが飛び出しバナナワニの顎を蹴り上げた。
「オッス、待ったか?」
「「プリンスーっ!!」」
仲間のピンチに現れたのはとっても紳士な金髪の王子様だった。
(ナミすわぁ〜ん♡花子すわぁ〜ん♡惚れたぁ〜?)
(はいはい…惚れた、惚れた。)
(ふふっ、とってもカッコ良かったわよ。)
(馬鹿やってねぇで、さっさと鍵探せっ!)