第13章 ユバ・レインベース
「どうだ、気に入ったかね?Ms.ウェンズデー。君も参加していた作戦が今花開いた。皆心にこう思っているのさ。『俺達がアラバスタを守るんだ』…って。泣かせるじゃねぇか。国を思う気持ちが国を滅ぼすんだ。」
「やめて…!なんて…酷い事を…!」
ビビの悲痛な叫びが辺りに響く。非道なクロコダイルの行いにルフィ達は何も出来ない現状に苛立ちを露わにした。
「おいっ!花子!俺達を此処から出せ!」
「無茶言わないでよ…拘束されて刀も握れないんだから。ユラ、ルフィ達と一緒に檻に入ってなさい。」
「う、うん!」
ガチャガチャと腕に力を込めながらルフィ達といれば安全だと考えた花子はユラを檻の中に押し込んだ。
「止めるのよ!まだ間に合う…!これから真っ直ぐ"アルバーナ"に向えば、まだ反乱軍を止められる!」
「罪無き100万人の国民か、未来のねぇ4人の小物海賊団か、救えて1つ。いずれも可能性は低いがな。"掛け金"はお前の気持ちさMs.ウェンズデー。クッハッハッハッハッ!」
仕上げだと"アルバーナ"に向うクロコダイルの手から1つの鍵が零れ落ちる。拾いたければ拾えと言う様に行動を起こさない彼を不審に思いながら花子は鍵に向かって飛び出した。
「ふっ…。」
「あぁっ!?」
「っ…チッ!」
同じく拘束を解いたビビも鍵に向かって飛びますがクロコダイルがコンッと音を立てたと同時に床が開いた。更に落下していく鍵を見つめ顔を歪めた花子が穴に飛び込む。
「おい!花子!鍵はあったかっ!?」
「えぇ、今拾う所よ!」
大きな広間に着地した花子が鍵を拾おうとしゃがみ込んだ時、何処かへ通じるトンネルから唸り声が聞こえた。
「反乱を止めたければすぐに此処を出るべきだ。…それともこいつ等を助けるか?もっとも俺がうっかり鍵を落としちまったがな。」
ズルズルと身体を這わせ現れた巨大な生き物に花子は目を見開き驚愕する。
「バナナワニの巣に…いくら剣姫と言えど拘束されたままではこいつを相手にするのは困難だろう。」
「っ…本当、いい性格してるわねっ。」
ジリジリと近付いて来るバナナワニを見つめ花子はヒクリと頬を引き攣らせた。