第13章 ユバ・レインベース
捕まっていると言うのに呑気に遊び始めるルフィとウソップ。そして昼寝をしているゾロに花子は頭を抱えた。
「クロコダイルっ!」
そんな時、Ms.オールサンデーに連れられ部屋に入って来たビビの声が部屋中に響き渡る。
「ようこそ、"アラバスタ"の王女ビビ。いや…Ms.ウェンズデー。よく此処まで来たな。」
「来るわよっ、何処までだって!貴方に死んでほしいからっ!Mr.0!」
クロコダイルに突っ込んで行くビビにルフィ達が此処から出せと声をかける。しかし、怒りで我を忘れたビビに彼等の声は届く事はない。
「お前さえっ来なければっ!"アラバスタ"は平和のままでいられたんだっ!」
ビビの武器である【クジャッキー】がクロコダイルの頭部を捉えた。彼の身体はサラサラと砂になり散っていく。
「っ!ユラ、こっちにおいで!」
「わぁ〜んっ!おかあさんーっ!」
一瞬の隙を見て花子はユラを背に乗せるとルフィ達のいる檻まで飛び退いた。それを予想していたかの様にクロコダイルの声が妖しく響く。
「折角捕まえた人質を逃してしまったではないか。まぁいい…この国に住んでいる者なら知っている筈だぞ。俺の"スナスナ"の実の能力を。」
散り散りになった砂はビビの背後に集まり姿を現せたクロコダイルが彼女を拘束する。ビビを離せと叫ぶルフィをよそにクロコダイルは彼女を座らせ口を開く。
「丁度頃合い、パーティが始まる時間だ。」
「12時を回ったわ…ユートピア作戦が始まる。」
ユートピア作戦。それが何なのかは分からないが声高らかに笑い声を上げるクロコダイルはニヤリと笑みを浮かべビビを見下ろす。
「死ぬのはこの下らねぇ王国さ。」
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「"アルバーナ"に総攻撃をかける!国王を許すなっ!!」
国王への厚い信頼は裏切りによってその厚さを反動に巨大な怒りのエネルギーと化した。国民数十万の怒りのうねりは、とどまる事を知らず国中が立ち上がる。
「反乱軍を迎え撃つ!全面衝突だっ!!」
一方、首都"アルバーナ"では国王軍の兵達が愛国心を胸に槍を突き上げて呼応した。
彼等の思いは1つ…この国を愛しているのだ…。