第13章 ユバ・レインベース
「海軍が来たぞ!?」
「お前が連れて来たんだよ!」
大変だと慌てるルフィにゾロの怒号が飛ぶ。今ここで騒ぎを起こすのは避けたい所だが、そんな事はお構い無しにルフィはビビに向かって叫ぶ。
「行こう!クロコダイルの所に!」
目的地は"レインディナーズ"。クロコダイルが経営するカジノ。固まって行動するのはまずいと判断し一味は1度別れる事にした。
「よし!じゃぁ…"ワニの家"で会おう!」
屋根に飛び乗るルフィを見届け一味は"レインディナーズ"を目指し解散した。
ーーーーーー
ルフィ達と別れた花子はユラを抱えカジノ内部に潜入していた。
「おかあさん、皆大丈夫かな?」
「あの子達だったら大丈夫よ。」
不安そうに見つめるユラを抱き締め取り敢えず人気のない所に身を隠そうとある1室の扉を開くと、そこは誰かの書斎の様だ。
(…少し調べてみましょうか。)
花子はずっと気になっていた。何故クロコダイルがこの国を乗っ取ろうとしているのか。そんな時、彼女の電伝虫が鳴る。
《あ~、花子はん?今ええか?》
「キンジ、悪いけど後にしてくれる?あ、ユラ私の側を離れちゃ駄目よ?」
《せやけど、耳に入れといてほしい事があんねん。クロコダイルの企んでる事が分かったんや。》
「…手短にね。」
クロコダイルの目的。電伝虫に気を取られていた花子は背後に迫る気配に気付く事が出来なかった。
「おかあさっ「"セイスフルール"」
「っ?!ユラっ!?」
突然、自分の身体から何本もの腕が生え拘束された花子の手から電伝虫が転げ落ちる。
《花子はん?!どないしっ「何匹か鼠が紛れ込んでいたが…思わぬ大物も引っ掛かったな。」
床に倒れ込む花子を嘲笑うかの様に男は床に転がった電伝虫をグシャリと踏み潰した。
「はなしてぇー!!」
「ユラを離しなさいっ!」
「クハハハっ!威勢が良い女は嫌いじゃねぇが…この餓鬼がどうなってもいいのか?」
ユラの首根っこを掴みニヤニヤと笑みを浮かべ花子を見下ろす人物は彼女達の最大の敵であるサー・クロコダイル。
「やっと見付けたぜ…花子。」