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海賊王の懐刀

第13章 ユバ・レインベース


エースと別れ"カトレア"を目指す麦わらの一味。砂漠の気候にも大分慣れ順調に進んでいると、突然ルフィが立ち止まった。

「やめた。」

「「「はぁっ?!」」」

何を言い出すのかと戸惑いを見せる仲間をよそに彼はつまらなさそうに口を開く。

「また、戻るんだろ?」

「そうだ。」

「つまんねぇ。」

自分はクロコダイルをぶっ飛ばしたいのだと。だが、反乱軍を止めたらクロコダイルは止まるのか。"カトレア"に行っても自分達は何も出来ない。ルフィの言い分に誰も何も言う事が出来なかった。

「お前はこの戦いで誰も死ななきゃいいって思ってるんだ!国の奴等も、俺達も皆!もう100万人も暴れだしている戦いなのに、皆無事ならいいと思ってるなんて甘いんじゃねぇのか?」

「何がいけないの?!人が死ななきゃいいと思って何が悪いの!?」

確信を突かれたビビは一瞬言葉を詰まらせるも必死に反論する。そんな彼女を見つめるルフィは無情にも言い放つ。

「人は死ぬぞ。」

「っ?!」

ルフィの言葉に顔を歪めたビビは反射的に彼の頬を殴り付けた。

「今度言ったら許さないわ!今それを止めようとしてるんじゃない!この国の人達は誰も悪くないのに!何故、誰かが死ななきゃならないの!悪いのは全部クロコダイルなのに!」

「じゃあ何で"お前"は命賭けてんだ?!お前の命1個で賭け足りるもんか!」

今度はルフィがビビを殴りそれに対して興奮したビビがまた殴る。ビビもそんな事は分かっている。しかし、どうしたら良いのか分からないのだ。

「じゃあ一体何を賭けたらいいのよ!他の賭けられるものなんて…何も…!」

崩れ落ちるビビの肩をルフィはしっかりと抱きながら叫んだ。

「俺達の命も一緒に賭けろ!仲間だろ!!」

真っ直ぐと自分を見つめるルフィの言葉に大きく見開かれたビビの瞳から涙が零れ落ちる。

「なんだ、出るんじゃねぇか。涙。」

ポロポロと流れ落ちるビビの涙にルフィはニカッといつもの笑顔を見せる。

「本当はお前が1番あいつをぶっ飛ばしてぇんだろ?」

ビビは嬉しかった…自分を仲間だと言ってくれた事が…ちゃんと自分の事を見てくれていた事が…。

「教えろよ、クロコダイルの居場所を。」

たまらなく…嬉しかった…。

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