第13章 ユバ・レインベース
なんとかナミ達に追いついたルフィ達は日が暮れ氷点下の砂漠を進む。途中でウソップは力尽き今はゾロに担いでもらっている。
「明かりが見えるわ!」
「着いたのか?"ユバ"!」
淡く光る明かりを頼りにルフィ達が辿り着いたその土地は、オアシスと呼ぶには余りにもかけ離れていた。
「そんな…。」
変わり果てた場所に呆然と立ち尽くすビビに住人であろう1人の老人が声をかけた。
「旅の人かね…?すまんね。この土地は少々枯れている…。こんな所だが、ゆっくり休んでいってくれ。」
「此処には反乱軍がいると聞いて来たのですが…。」
顔を隠し尋ねるビビの言葉を聞いた瞬間、老人は顔を歪め烈火の如く声を荒げた。
「貴様等!まさか反乱軍に入りたいなんて輩じゃあるまいな!…あの馬鹿共なら此処にはいない。"カトレア"に本拠地を移した…。」
ぷるぷるぷる
「あっ、ごめんなさい。」
苦々しげに老人が語る中、花子の電伝虫の鳴き声が聞こえ彼女はルフィ達から離れ通信を繋げる。
がちゃ
「もしもし?」
《あっ!花子はん?ウチやで~。》
「…どうしたの?」
《今どの辺におるんや?》
「今"ユバ"に着いた所よ。」
《あちゃ~!一足遅かったか。》
反乱軍は"ユバ"にいない事を知らせようとしたキンジは行き違いになってしまった事を詫び、申し訳無さそうに項垂れる。
「…随分"ユバ"は変わり果ててしまったけど…やっぱりあれが関係しているの?」
《おん。"ユバ"だけやない、他の土地もあれのせいで何処も枯れ果ててしもうとるんや。後、エースはそこにおるか?》
エースが自分達と行動をしている事は彼には伝えていない。相変わらず情報が早いと苦笑いを浮かべながら花子はエースに声をかけた。
「どうした?」
「キンジが用があるみたいよ。」
《おう、糞餓鬼。お前、全然ウチの連絡取らんやないかい。》
「…やべっ。」
何度か連絡した様だったが応答はなく、ジトリとした目の電伝虫に視線を逸らしたエースは黒ひげはもう"アラバスタ"にいないと知り肩を落とす。
「悪かったな。」
《ホンマやで!心優しいウチが連絡してやったんに浮かれおって!》
キィーっ!と羨ましそうに唇を噛む仕草をする電伝虫を前にどう彼の機嫌を取るか2人は苦笑いを浮かべた。