第13章 ユバ・レインベース
「ところで…そのラクダはどうしたの?」
夜が明け再び"ユバ"を目指す麦わらの一味。ふと花子が当然の様にいるラクダに目を移す。
「昨日、ルフィがトカゲに追われてる時に付いてきちゃったみたいなの。」
「ん?そうだったか?」
「兎に角、コイツがいれば移動は楽勝だな!」
これ幸いと嬉しそうにラクダに飛び乗るウソップだったが、ラクダは嫌そうに顔を顰め彼を背中から振り落とした。
「『俺は男は乗せない主義だ』だってさ。」
「ふざけんな!このヤロー!」
「何選ぶ立場になってんだ!クソラクダ!」
「なんか、ムカつくぞー!」
何か言っているラクダの言葉をチョッパーが通訳する。どうやらこのラクダは雄で女しか乗せない様だ。ふんっと鼻を鳴らしドヤ顔のラクダの態度が癇に障ったのかウソップ、サンジ、ルフィがタコ殴りにしている。
「止めろ!」
「生き物は大切にするものよ。」
3人の暴行をナミが止め花子はボロボロになったラクダを労る様に優しく頬を撫でる。
「可愛いじゃない、名前はどうする?」
「アホ。」
「ボケ。」
「タコ。」
「じゃあ、マツゲで。」
「お前、それ1番変だぞ…。」
2人に撫でられメロ〜ンと目をハートにし甘えるラクダに怒りを覚えた3人は適当な名前を口にする。結局、ナミが付けた名前に決まったが彼女のネーミングセンスにゾロは顔を引き攣らせた。
「4人、乗れるかしら?」
「私は大丈夫だからユラとビビが乗りなさい。」
マツゲに跨りどうするか悩んでいるナミに花子が自分は大丈夫だからと2人に乗る様に促す。
「ユラ、落ちない様にしっかり掴まっているのよ?」
「わかった!」
ナミとビビの間にユラを乗せ言い聞かせる花子に、ナミの服をしっかりと掴みユラは大きく頷く。準備は整ったとナミは手綱を持ちマツゲに声をかける。
「おぉーいっ?!」
「飛ばし過ぎだろー?!」
「ちょっ、ユラー?!」
大きく嘶き足に力を込めたマツゲは物凄い勢いで走り去ってしまった。舞い上がる砂煙を見つめ残された者達は驚き慌てて彼女達を追いかけた。
(あぢぃ〜…。)
(ナミ達、何処まで行ったんだよ…。)
(無駄口叩かない!男の子でしょ!)ユラっ…!
(((…。)))