第12章 ナノハナ
エースが何故"アラバスタ"に来ているかと言うとある男を追っているらしい。その男の名は【黒ひげ】。彼は白ひげ海賊団2番隊隊長であるエースの部下であったが海賊団の掟を破り逃走。
「俺がここにいるのも、奴が"ユバ"にいると言う情報を聞き付けて来たんだ。」
「それじゃあ、私達と目的地が同じだわ。」
今の"アラバスタ"の現状をエースに伝えたビビは地図を開き次の目的地を指し示す。次に目指すのは"ユバ"。反乱軍の本拠地がある場所だ。
「暫く一緒に旅ができそうね。」
「まっ、花子やユラにも会えたしな。少しの間だがよろしく頼むよ。」
「そう言えば花子さんは?」
「多分、この国の服を渡したから今着替えてる筈だ。」
顔を緩ませているサンジにビビはまさかと顔を強張らせる。必要物資の調達はB.Wに顔が割れていない彼にお願いした。しかし、自分達が渡されたのは露出の激しい踊り子の衣装。
「サ〜ン〜ジ〜く〜んっ?」
地の底から這い上がる様な低い声と共に船内に続く扉が勢い良く開く。ユラを抱え現れた花子の姿に一同はぎょっと目を見開いた。
「花子さん、着替え終わった?」
「この服はなぁに?」
「凄く素敵だよ!」
「感想聞いてるんじゃないの!何で私まで踊り子の衣装なの?!」
手を組みくねくねと身体をくねらせるサンジに花子の眉間の皺が深くなる。ナミ達程では無いが袖のあるチューブトップは彼女の引き締まったくびれが曝け出され、透け感のあるボトムスは中にショートパンツが付いているものの横がパックリと開いており、柔らかそうな花子の太腿が見え隠れする。
「すっごく似合っているよぉ〜♡」
「わ・た・しは、ふ・つ・うの服を買ってきてって言ったの!」
「踊り子もこの国では普通だよぉ〜!」
今からでは服を買い直す事も出来ない。何故、生き恥を晒さなければならないのかと頭を抱える花子の前にエースが現れた。
「…。」
「エース…?」
無言でじっと自分を見つめるエースに花子は首を傾げる。すると、突然エースは彼女を力いっぱい抱き締めた。
「…っ、可愛いっ…。」
「…あ、ありがとう…。」
何かに耐える様な絞り出された言葉。どうしたらいいか分からず花子はされるがままになっていた。