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海賊王の懐刀

第12章 ナノハナ


ひょんな事からルフィと意気投合したオカマはB.Wの幹部Mr.2だった。思わぬ上位幹部との接触に大事に至らなかった事を安堵していると、ビビが顔を顰める頭を抱えている。

「さっき…あいつのメモリーの中に父の顔があったわ…。」

Mr.2は"マネマネ"の実の能力者。右手で触れた者の顔を記憶し変身できる。彼の能力を目の当たりにしたビビは、その中に自分の父である"アラバスタ王国"国王ネフェルタリ・コブラの顔があったと言う。

「…もし彼が国王を装っていたとしたら"アラバスタ"の内乱にも納得がいくわね。」

「っ…ええ。」

「でも良かったわ、相手の能力も知れて。…まさかとは思うけどあなた達、コピーされたりしてないわよね?」

「「「…。」」」

花子の言葉にビビとこの場にいないサンジ以外が目を逸らす。ルフィ、ウソップ、チョッパーに至ってはMr.2の能力に大はしゃぎだった。

「な・ん・で、目を逸らすの?」

「だってよぉ〜!あいついい奴だったぞ!」

「そのいい奴が敵の幹部だったでしょう!まったく…ゾロとナミもいて何してるのよ…。」

「「面目ない…。」」

頭を抱える花子にゾロとナミは項垂れる。いずれ自分達が敵である事はMr.2の耳にも入るだろう。もし彼が仲間の誰かに変装していたとなると。

「仲間を信用できなくなるわね…。」

「そうか?」

神妙な面持ちで呟くナミにルフィだけはピンときていないのか首を傾げる。事の深刻さを説明しようと口を開くナミをゾロが止めた。

「まぁ待てよ。確かにこいつの意見にゃ根拠はねぇが、あいつにビビる必要はねぇって点では正しい。」

「どう言う事?」

「花子の言う通り、今あいつに会えた事をラッキーだと考えるべきだ。…対策が打てるだろ。」

何か考えがあるのかゾロはニヤリと笑みを浮かべる。この場にいないサンジを呼び一味はMr.2に対する作戦会議を始めた。

「そんなに似ちまうのか?その"マネマネ"の実の能力は。」

「似るなんてもんじゃねぇよ!同じだ!いや~、面白かったなぁ〜!お前も見れば良かったのに。」

「俺はオカマには興味ねぇよ。」

説明を聞いたサンジは興味無さそうに煙草を燻らせる。顔も声も身体も同じになってしまうのだからどう対処するべきか。

「俺にいい考えがある。チョッパー!包帯持ってこい。」

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