第12章 ナノハナ
甲板に出た花子とユラは肩を組み意気投合しているルフィ、ウソップ、チョッパー、そして謎のオカマに首を傾げる。
「え?どちら様?」
「わ〜、変なカッコウ〜!」
奇抜なメイクに白鳥を背負い背中には【おかま道】と書かれた上着を羽織っているオカマに、ユラは珍獣を目にしたかの様に興味津々だ。
「あんらぁ〜!ここにも可愛い子ちゃんがいるじゃない〜!食べちゃいたいわっ♡ぅんっまっ♡」
「…。」
「変な人〜。」
投げキッスにウィンク付きと言う熱烈なアピールをされ背中にゾクリと悪寒が走った花子はユラを隠す様にキツく抱き締め後退る。
「ねぇ、ナミ。彼…彼女?かしら、どうしたの?」
「…実は。」
ナミが言うには、海底火山の蒸気を抜け出した所辺りでルフィ達に釣りの餌にされそうになっていたカルーに彼がくっ付いていたらしい。彼曰く、垂れ下がっていたカルガモに飛び付いてしまったと。
「それで何であんなに仲良くなってるの?」
「それは…。」
ルフィ達の事だから奇天烈な彼の事が面白いと興味を持っただけだろうが、花子の問いにナミが答え様とした時、1隻の船がメリー号に近付いて来た。
「アラッ!もうお別れの時間、残念ねぃ…。」
「え゛ー!?」
「悲しむんじゃないわよぅ!旅に別れはつきもの…でも、これだけは忘れないで…!友情ってやつぁ…つき合った時間とは関係ナッシング!」
白鳥をモチーフにした船はどうやら彼の船の様だ。別れを惜しむルフィ達にオカマは決め台詞を残し華麗に自分の船に飛び乗った。
「さぁ行くのよ!お前達っ!」
「ハッ!Mr.2ボン・クレー様!」
オカマの号令と共に彼の船は去って行ってしまった。手を振り別れを告げるが彼の部下の言葉に一味は驚愕する。
「…Mr…2?!」
「…あれが…Mr.2…?!」
「ビビ、お前知らなかったのか?」
同じく驚愕しついるビビにルフィが尋ねるが彼女はM.2とMr.1の顔は知らないらしい。だが、噂は聞いた事あるはと。
「…Mr.2は大柄のオカマで、オカマ口調、白鳥のコートを愛用してて、背中には【おかま道】ってあるって…。」
「「いや、気付けよ。」」
真剣な面持ちでMr.2の特徴を話すビビに何故あれだけ分かり易いのに気付かなかったのかと、ゾロとウソップが彼女にツッコんだ。