第3章 生まれてきてくれて…
「「キンジの妹ぉ~?!」」
「おん!長らく家出しとってずっと探しとったんやけど…。いやぁ~、2人が見付けてくれてホンマ良かったわぁ~!」
「…。」
話が纏まり改めてルフィとエースに紹介された花子はジトッとした目でキンジを睨み付ける。
「ちょっと、キンジ!妹ってどう言う事よ!」
「しゃあないやん!ホンマは同い年って言っても信じへんやろうし。」
「それはそうだろうけど…。」
今まで姉の様に接してきたのにいきなり立場が逆転した事に、花子は少し不満げな顔をする。背を向けボソボソと話し合う2人をエースは怪訝そうな顔で口を開いた。
「…兄妹にしては似てねぇな。」
「まぁ、血は繋がってへんしな!」
「んじゃ、俺とエースみたいなもんか!」
「そやそや!ルフィがエースを大事な様に、ウチにとって花子はんは大事な家族や!」
ぎゅっと自分を抱き締めるキンジに鬱陶しそうな顔をするも、大事な家族と言う言葉に花子は擽ったそうに顔を綻ばせる。
「キンジの大事な奴なら俺にとっても大事な奴だ!」
「まぁ、これからよろしく頼むぜ。」
ニッと歯を見せ笑う2人に花子も嬉しそうに微笑む。しかし、エースの笑顔がロジャーと重なりツキンッと痛む胸を彼女は気付かぬフリをした。
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ルフィ side
俺達が見付けた花子がキンジの妹だって聞いた時は驚いたなぁ!けど、花子を見るキンジの顔は凄ぇ優しい顔してて、凄ぇ大事にしてる事が分かる。
「ほら、ルフィ君。踏み込みが甘いわよ!」
「くっそぉ~!」
そして、何より花子は強ぇ!あのエースですら敵わねぇかなら!
「っ!いってぇーっ?!」
「はい、1本。」
次の攻撃に構えると突然目の前に現れた花子がデコピンをした。これが痛ぇの何のって…!ゴロゴロと地面を転がる俺を花子は可笑しそうに笑ってる。
「っ~!何で花子のデコピンは痛ぇんだ?!」
「愛の大きさかしら?」
ゴムの俺に打撃は効かない筈なのに花子の攻撃はじいちゃんの拳骨と同じくれぇ痛ぇ!
「くそぉ~!また負けたっ!」
「でも、前よりかは動きは良くなってるわよ。」
俺の頭を撫でる花子の手は凄ぇ優しくて何か胸がポカポカと温かくなった。