第11章 ドラム王国
Dr.くれはの元に向かうのはナミとナミを背負って行くと言ったルフィ。そして彼に任せられないとサンジが名乗り出た。初めは自分も一緒に向かうと申し出た花子だったが、ビビとウソップの事を頼まれ止む無くその場に留まる事となった。
「君達は中へ入りなさい。身体が冷えるだろう。」
「…いいんです。私は…外にいたいから…。」
「俺も。」
3人を見送る花子達にドルトンが声をかけるが、ナミの事が心配なのか小さくなっていくルフィ達を見つめビビが顔を横に振る。
「ねぇ、ドルトンさん。この村の人達は海賊に対して嫌悪感があるみたいですけど…何かあったんですか?」
「あぁ…この"ドラム王国"はある海賊によって滅ぼされた。」
「ある海賊?」
海賊を毛嫌いする者は多い。しかし、花子は自分達を見る村人達の態度に違和感を感じていた。
「その海賊の名は"黒ひげ"。」
突然現れた"黒ひげ"と名乗る船長率いる海賊はこの国を侵略してきた。本来なら国民を守らなければいけない国王ワルポは、彼等の圧倒的な力を前にし誰よりも先に逃げ出したと言う。
「それがっ…!一国の王がやる事なの?!」
「あれには我等も失望したよ。」
同じ王族として、国王である父の姿を見てきたビビはワポルの自分勝手な行動に怒りを露にした。
(…ティーチがこの国を。)
ティーチが白ひげ海賊団を抜け何やら暴れ回っている事はキンジから聞かされていた。鉄の掟を破った彼をエースが追っている事も。
「おーい!ドルトンさん!」
この国に起こった惨劇を話していたドルトンの元に1人の村人が駆け寄る。何でも隣村にDr.くるはが現れたらしい。
「何っー?!じゃあ、ルフィ達は入れ違いか?!」
「どうしたらいいの?!」
「ウソップ君とビビは何とかDr.くれはを引き止めて!私は3人を連れ戻して来る!」
朱雀を呼び出した花子はウソップ達に声をかけるとユラを抱えルフィ達の向かった方へと飛び立った。
「花子ー!頼んだぞぉー!」
「1人だと危険だ!」
「あいつなら大丈夫だ!」
「ここは花子さんに任せましょう!私達は、Dr.くれはの元に!」
花子を見送ったウソップとビビは慌てて隣村へと急いだ。