第11章 ドラム王国
準備が整った花子とサンジがナミの元に向かうとした時、ルフィが慌てた様子でキッチンに飛び込んできた。
「大変だっ!ナミが倒れた!」
「「?!」」
驚き目を見開いた2人はルフィに連れられるまま彼女の元へ急ぐ。
「ナミっ!」
「花子さんっ!ナミさんがっ!」
部屋に入って来た花子をビビが泣き出しそうな顔で見つめる。ベッドに横たわるナミはグッタリとしていて、息は荒く先程の花子が確認した時よりも顔を真っ赤にしていた。
「熱は?」
「40度もあるのっ!」
「まずいわね…。」
「なぁ、そんなに辛ぇのか?」
「「いや、かかった事ないし。」」
生まれてこの方、風邪とは無縁だったルフィは2人の焦り様に首を傾げるが、それはサンジやウソップも同じだったのか分からないと手を振る。
「辛いなんてものじゃないわ!40度なんて下手したら命を落としかねない!」
「「「えぇーっ?!」」」
人間離れした免疫を持つ彼等にビビが声を荒げる。死に至る程の重症だと知りあからさまに取り乱す。
「ナミが死ぬーっ?!」
「ナミは死ぬのかーっ?!」
「ダビダンー!ジラナイデー!!」
「狼狽えないで!静かに!」
騒ぎ嘆き狼狽える3人にビビがナミの身体に触るから静かにしろと叫ぶ。
「なぁ、花子!ナミは大丈夫なのか?!」
「…。」
「花子ザンっ…ナビダン、ジナナイヨネっ?!」
「…。」
「おい!花子!?」
「煩いっ!」
「「「すみませんっ!」」」
花子、花子と周りをうろちょろする3人に激が飛ぶ。ナミの脈を測る花子は顔を歪め口を開く。
「脈が弱いわ、早く医者に診せないと。」
「医者を探すぞ!ナミを助けてもらおう!」
「っ駄目よ!」
進路変更をしようと声を上げるルフィにナミが重い身体を起こす。新聞で見た"アラバスタ"の現状。こんな所で寄り道してはいられないと叫ぶ。
「分かったでしょ?一刻の有余なんか無いの。私なら大丈夫、すぐに治るわ。心配してくれて、ありがとう。」
力無く笑いフラつく身体を花子に支えられながらナミは部屋を出て行った。
(なんだ、元気になったのか?)
(馬鹿、無理してんだよ。)
(ナミ…大丈夫かな…?)
(…。)