第10章 リトルガーデン
通常だったらこの島を出る事が出来るのは1年後。しかし、何処から見つけたのかサンジが"アラバスタ"へのエターナルポースを手に入れたお陰で、麦わらの一味はすぐに"リトルガーデン"を出航する事が出来た。
「よく見ろ!俺のトカゲの方がでけぇだろ!」
「ふざけんな!俺のサイの方が食うとこが多いだろう!」
「どっちでもいいだろ?どっちも美味そうだし。」
「「お前は黙ってろ!」」
どちらがより大きな獲物を捕まえてくるかと言うゾロとサンジの勝負は継続していたようで、どうでも良さそうに答えるルフィに2人は声を荒げ啀み合っている。
「どっちでもいいでしょう…どうせ全部は乗せれないのだから…。」
「おぉ〜花子〜、着替えたのか。」
着替えを済ませた花子が未だに言い争っている2人を見つめ呆れた様に溜息を漏らす。男の勝負に引き分けは無いと乱闘騒ぎになりそうだったが、ナミの鉄槌により2人の勝負は幕を閉じた。
「友の船出だ。」
「あぁ…放ってはおけん。東の海には魔物がいる。」
出航の準備を整えたメリー号を見送るブロギーとドリーは武器を手にし立ち上がると、目の前に広がる海を見据え叫ぶ。。
「この島に来たチビ人間達が、次の島へ辿り着けぬ最大の理由がこの先にある。お前等は、我等の誇りを守ってくれた。ならば我等とて…いかなる敵があろうとも、友の海賊旗は決して折らせぬ…!我等を信じて真っ直ぐ進め!例え何が起ころうとも、真っ直ぐにだ!…いつかまた会おう!必ず!」
「分かった!真っ直ぐだな!」
2人の言葉を胸に海に出たメリー号の目の前に巨大な何かが飛び出してきた。それを見つめブロギーとドリーはニヤリと笑みを浮かべる。
「出たな…怪物金魚【島食い】!」
それは…全てを飲み込んでしまいそうな程の巨大な金魚だった。
(でっけぇー?!何だっ、このバケモンはぁっ?!)
(金魚って海水でも生きられるのね。)
(そんな呑気な事言ってる場合じゃないでしょ?!)
(あれ、食ったらうめぇのかな?)