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海賊王の懐刀

第10章 リトルガーデン


B.Wの刺客を退けたものの麦わらの一味はこの島から出る事が出来ない。何故ならこの島のログが貯まるのは1年後なのだから。

「ナミさ~ん!花子さ~ん!ユラちゃ~ん!ビビちゃ~ん!」

一刻も早く"アラバスタ"に向かわなければならないがどうする事も出来ない状況にヤキモキしていると、今まで何処にいたのかサンジがジャングルから飛び出してきた。

「無事だったんだ…うおほぉっ?!」

笑顔で駆け寄る彼だったがナミの姿を目にし目玉が飛び出す程驚いている様子だったが、その表情は幸せそうだった。

「ナミさん♡何て刺激的な姿なんだぁ〜♡」

「あらサンジ君、来てたのね。」

くねくねと身体をくねらせながらナミから目線を逸らす事の無いサンジにウソップが呆れた表情を浮かべ、何処からか戻って来た花子が彼に声をかけた。

「花子さん!無事だっ…っ?!」

「?」

ぐるりと身体を反転させダラしなく顔を緩ませていたサンジだったが、花子の姿を目にしピキンッと凍り付いた様に固まる。

「あ…花子さん、その格好…。」

「色々あってね、燃えちゃったの。」

さして気にする事なく苦笑いを浮かべる花子の肩に、サンジは光の速さで上着を脱ぎ包み込む様にそっとかけた。

「これ使ってくれ…レディが身体を冷やすのは駄目だ。」

「それならナミに…。」

「いいから!」

半ば押し付ける様に上着を渡し足早にルフィ達の元に戻っていくサンジの様子に花子とユラは顔を見合わせる。

「どうしたのかしら?」

「サンジ、顔赤かったね。」

花子の姿を見ぬ様逸したサンジの顔は赤く染められていた。風邪でもひいたのかと首を傾げる2人にゾロが近付いて行く。

「…。」

「どうしたの?」

無言で彼女を見下ろすゾロの眉間には深く皺が刻まれていた。不思議そうに見上げる花子を見つめゾロは彼女の肩にある上着を徐ろに剥ぎ取った。

「ちょっ?!なっ…ぶっ!?」

「…着てろ。」

突然、身ぐるみを剥がされ慌てる花子の顔にバサリと何かが覆い被さる。それは先程までゾロが着ていたTシャツだった。

「本当に…何なのよ…。」

スタスタとルフィ達の元に向かうゾロの背中を見つめ、呆れた表情を浮かべながら花子はそれに袖を通した。

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