• テキストサイズ

海賊王の懐刀

第10章 リトルガーデン


Ms.ゴールデンウィークの力は特殊な絵の具を使って相手に暗示をかける【カラーズトラップ】という技だ。単純なルフィは思いのままに操られてしまっている。

「お茶がうめぇ~。」

「「「アホかぁ!?」」」

「…。」

"なごみの緑"は和やかな気分になって戦闘意欲を失う。呑気に茶を啜り茶会を始めるルフィにゾロ達は声を荒げる。

「…ルフィ、覚悟はいいわね。」

「待て待てっ!俺もどうしたらいいかっ!?」

指を鳴らし笑顔で近付いてくる花子を必死で宥める。自分の気持ちとは裏腹な行動にルフィも顔を歪めていた。

「っ!」

「…おい!目ぇ覚めたかよ!てめぇ!」

突然、ルフィの身体が爆発した。Mr.5から逃げていたウソップが彼に"火薬星"を打ち込んだのだ。

「あぁ、覚めた。サンキュー!1人だって死なせてたまるか!もー怒ったぞ、俺は!」

ウソップの攻撃で服が燃えたルフィは【カラーズトラップ】の暗示から抜け出せた。ホッと安堵の表情を浮かべキャンドルケーキに視線を移した花子は目を見開く。

「いやぁーっ?!ユラぁっ!?」

蝋で固められたゾロ達。このままでは完全な蝋人形になってしまう。変わり果てたユラの姿に悲鳴を上げる花子は必死で頭を巡らせる。

(…蝋、そうだわっ!)

何かを思い立った花子は素早く印を結び大きく息を吸う。

「ルフィ!カルーのロープに火を着けろ!」

(えっ?!ちょっと待って!)

花子が口から炎を吹き出すのと同時にカルーによって縄を巻き付けられたキャンドルケーキに火が着いた。それは花子の術と相まって勢いを増している。

「ユラぁっ!?」

大きく燃え上がるキャンドルケーキを目にし花子は炎の中に飛び込んで行った。

ーーーーーー

計画を潰され怒り狂うMs.バレンタインに炎の中から飛び出したナミとビビが攻撃を仕掛ける。2人共服はボロボロであるが無事の様だ。

「"焼・鬼・斬り"!…燃える刀てのも悪くねぇ。」

ウソップに襲い掛かろうとしたMr.5もゾロにより切り捨てられ取り敢えず敵は殲滅出来た。

「ユラはどうしたの?!」

ユラの姿が見当たらずまだ炎の中に取り残されているのかとゾロが助けに向かおうとした時、燃え盛るキャンドルケーキから火山の爆発の様に水が噴き出した。

/ 247ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp