第10章 リトルガーデン
「くっ…!おい、Mr.5!あの女は何だガネッ?!」
「くそっ!もう起きやがったかっ!」
頭を押えヨロヨロと立ち上がるMr.3達に気付いたゾロは舌打ちをかましユラの頬をハンカチで拭っている花子に声を荒げた。
「おい、花子!早くこの蝋を壊せ!」
「何これっ、全然取れないじゃないっ!」
「聞いてんのかっ?!てめぇっ!?」
完全に自分達の事は眼中に無い花子にゾロは苛立ちを露にする。彼女まで捕まってしまえばここから脱出する事は出来なくなってしまう。
「「おりゃあぁああぁぁぁっ!!」」
「クエーっ!!」
このボケ親がとゾロが悪態を付いていると、雄叫びを上げながらルフィ、ウソップ、カルーがジャングルから飛び出してきた。
「お前等ぁ!ぶっ飛ばしてやるからな!こいつ等、巨人のおっさん達の決闘を汚したんだ!」
「ブロギー師匠!あんたの悔しさ俺達が受け継いだぜ!」
「クェー!」
「次から次へとっ…!俺の芸術の邪魔をするんじゃないガネ!」
奮起している3人を見つめMr.3が苦々しげに吐き捨てる。上手くいっていた計画を邪魔され彼も苛立ちを隠しきれずにいた。
「うーわ…。へんな頭。【3】じゃん【3】。燃えてるし、あちゃー。」
「黙れっ!?」
自慢の髪型を馬鹿にされ怒り心頭なMr.3。このままでは話が進まないとナミがルフィに声をかけた。
「ルフィ!そんな事より早くあの柱を壊して!大至急!!」
「何だ?やばかったのか?」
焦った様子のナミにルフィが首を傾げゾロに尋ねる。確かに危機的状況ではあったがそれを口にする彼ではない。
「いや、問題ない。ルフィ、この柱ぶっ壊してくれるか?後は任せる。」
「おっしゃっ!んじゃ、まずはこのへんてこ頭を「待って、ルフィ。」
肩を回しMr.3を見据えるルフィに花子が待ったをかけた。自分が彼の相手をするからその間にこの蝋を何とかしてくれと言う。
「いいよ、俺がぶっ飛ばすし。」
「…ん?」
「どうぞっ!」
にっこりと微笑む彼女の圧力に負けあっさり譲ったルフィの頭を撫で、花子はMr.3の前に立ちはだかった。
「ユラにこんな事をして…ただで済むと思わないでね。」
ギラギラと鋭く光る瞳で彼を睨み付ける花子を目にしゾロ達はゴクリと息を飲んだ。