第9章 ウイスキーピーク
花子 side
私達を歓迎する宴はそれは豪勢で皆それぞれ楽しんでるみたいだけど…。
(この一味…大丈夫かしら…?)
「その時俺はこう言ったんだ!海王類共!俺の仲間に手を出すなっ!」
「「「きゃー♡素敵っ!キャプテンウソップ!!」」」
得意気に今迄の航海の話をするウソップ君に彼を取り囲んでいる女性達から黄色い声援が聞こえる。
「おぉ~!凄ぇっ!こっちの兄ちゃんは10人抜きだー!?」
「こっちの姉ちゃんは、12人だぞ!?」
乾杯競争と言う名の飲み比べを始めたゾロ君とナミは次々と町の人達と乾杯しお酒を呷っている。特にナミは勝ったら賞金が貰えると言う事でやる気満々。
「こっちでは船長さんが20人前を完食だ!コックが倒れたー!?」
「こっちの兄ちゃんは20人の女を一斉に口説いてるぞー!!」
ルフィは無心でご飯食べてるし、サンジ君は大勢の女性に囲まれてご満悦な様子。
(何なの…この子達…。)
「何だ?!この一味はー!?」
やだ、被っゃったわ。取り敢えず、料理にも飲み物にも変な物は入っていないみたいだしもう少し彼等の様子を伺う事にしましょう。
「…っいかん!もう止めだ。」
「おぉっと!兄ちゃんは13人目でついにダウンだ!」
ゾロ君がジョッキをテーブルに叩きつけ顔を顰める。流石に限界がきたのかそのままイビキをかいて寝てしまった。
「こっちの姉ちゃんは15人目だ!相手はシスターだ!!」
「うぃ~…らりよ、ろろぉ!なさけないわねぇ~!」
先にリタイアしたゾロ君にナミが管を巻くが、その目は据わって呂律も回っておらず酔っているのは明らかだった。
「ナミ、大丈夫?」
「らいりょうぶよぉ〜!」
ケラケラと楽しそうに笑いながらまたお酒を呷るナミを見つめていたら、私の膝に座っていたユラの頭がカクンと揺れる。
「ユラ、眠い?」
「ん〜…。」
ほぼ眠りに着いているのかユラはカクカクと揺れ私の身体に身を預ける。
「おや?寝てしまわれましたか?奥にベットもあります。よろしければお使いください。」
「…そうね、そうさせてもらうわ。」
シスターとの一騎打ちはナミの勝利で終わったが彼女も限界だったのか目を回して眠ってしまった。
(さて…どう出てくるのかしら。)
楽しそうな声を上げ眠る皆の声を聞きながら私は案内された部屋に向かった。