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海賊王の懐刀

第8章 双子岬とアイランドクジラ・ラブーン


ルフィにエレファントホンマグロを全て食べられたサンジは怒りに任せ彼を蹴り飛ばした。勢い良くナミの前を横切ったルフィの風圧により、彼女の腕にあったログポースが割れてしまった。

「2人共っ…!頭冷やしてこーいっ!」

たった1つしか無いログポースが壊れ怒り狂ったナミが2人を海に蹴り落とす。

「おい!それ、大事な物じゃなかったのかよ?!どうするんだぁ?!」

「どうしよう?!クロッカスさん!大事なログポースがっ!」

「慌てるな、わしのをやろう。ラブーンの件の礼だ。」

まさに天の助け。懐からログポースを取り出したクロッカスにナミとウソップは歓喜余り涙を流している。

「まったく…何してるのよ…。」

「うへぇ〜…おれは…わるくねぇそぉ〜…。」

サンジに抱えられ陸地に打ち上げられたルフィは力無く反論する。花子はしゃがみ込むと彼の鼻をピンッと指で弾いた。

「私だってサンジ君のご飯食べたかったんだからね?」

「ユラもぉ〜!」

「2人の為ならいくらでも作りますともぉ〜♡」

「ん〜…悪ぃ!」

少し拗ねた顔をする花子と頬を膨らませるユラに身体をくねらせハートを飛ばすサンジ。悪びれる様子の無いルフィに苦笑いを浮かべ花子はユラを抱えメリー号に戻って行った。

ーーーーーー

「ぐごぉ〜…。」

「ゾロ君、起きて。」

「んがっ…ぐう〜…。」

「ゾ〜ロ〜?」

ログもそろそろ貯まる頃だろうと甲板で寝こけているゾロに花子とユラは声をかける。起きる様子のない彼にどうしたものかと考えていると、花子が閃いた様にユラに耳打ちした。

「それじゃあ、いいわね?」

「うん!」

くすくすと何かを企んでいる様に笑い合い少し離れるとユラはゾロに向かって勢い良く駆け出した。

「ゾロー!起きてぇー!」

「ぐほぉっ?!」

ぴょんっとゾロの上に飛び上がったユラはそのまま彼の腹に落下する。いきなり来た衝撃にゾロは何が起こったか分からず目を白黒させている。

「っ〜?!何しやがる!?」

「そろそろ出航よ。」

早く起きろと手を叩き急かす花子に状況を理解したゾロは顔を顰めた。


(…普通に起こせねぇのか。)

(だって、あなた起きなかったんだもの。)

(ゾロのお腹、かたぁい!)

(…はしゃぐな。)

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