• テキストサイズ

海賊王の懐刀

第8章 双子岬とアイランドクジラ・ラブーン


嵐の中、船を進ませルフィ達はレッドラインに辿り着いた。目の前に聳え立つ巨大な赤い岩壁。この壁の向こうにグランドラインがある。

「ズレてるぞ!もっと右、右!!」

船首で指示を出すルフィに従ってウソップとサンジが舵を取るが激しい海流により言う事を利かず勢い余って折れてしまった。

「"ゴムゴム"の風船~!」

このままでは船は壁にぶつかり大破してしまう。ルフィの咄嗟の機転のお陰で無事海流に乗ったメリー号はレッドラインを登って行く。

「ここを抜ければ世界で1番偉大な海!行けー!!」

この先にある広い海に思いを馳せ、皆の胸は高揚していく。そして、ついに…。

「「「入ったぁー!!」」」

目の前には何処までも続く広い海。ここから彼等の夢への冒険が始まるのだ。

「おかあさん!すごいねっ!」

「そうね…。」

興奮冷めあらぬ様子で目を輝かせ花子を見上げるユラに彼女は微笑み目の前に広がる海を見つめた。

(ロジャー…貴方もこんな気持ちだったのかしら…。)

言葉に現せない胸の高ぶり。眩しいものを見る様に目を細める花子の身体を後ろから誰かが支える。

「ゾロ君?」

「…しっかり掴まってろ。」

下り坂に差し掛かり正面からくる風から2人が飛ばされぬ様にゾロがそっと包み込む。

「ふふっ、そこまで私は軽くないわよ?」

「おめぇもユラも小せぇからな。飛ばされちまったら見失っちまう。」

「むぅ〜!ユラはこれから大きくなるんだもん!」

そうかよと鼻で笑い乱暴に頭を撫でるゾロにユラはぷくぅっと頬を膨らませ拗ねた様に彼を睨み付ける。

「ナミさん!山が見えるぜ!」

「山?そんな筈ないわ!双子岬を越えれば後は海だけよ!?」

地鳴りの様な雄叫び。霧がかってよく見えないが微かに見える巨大な黒い影。次第に霧が晴れていき目の前に現れたのは…。

「くっ…クジラ?!」

「進路を塞がれている!」

「どうする?!戦うかっ!?」

「戦うってレベルじゃねぇだろ!」

メリー号の行く手を阻む様に鎮座する巨大なクジラ。このまま行けば船はぶつかり大破してしまう。どうするか頭を悩ませていると何かを思い付いたルフィが何処かへと駆け出した。

「クジラさぁん!どいてぇー!」

ユラの声に一瞬クジラが反応をした様に見えた時、鼓膜を刺激する様な爆音が辺りに響き渡った。

/ 247ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp