第2章 ももいろこーひー【桃】※裏有り※
「…ヤバい」
「え、どしたの?」
「アイスコーヒー飲みたけど、それよりめっちゃくろばに触りたい」
「は、はぃっ?」
あまりに直球なさとみの言葉に、思わず変な声が出てしまった。
「ぷっ、相変わらず色気のない声」
「な、何を言いますかいきなり、それに失礼な」
「ゴメンて、コーヒーありがと?」
コーヒーを両手に持っている私の肩に手を置き、唇を寄せるさとみ。
「んっ…」
あ、ヤバい。
起きたばっかで、すぐ集中してしまう。
「くろば寝起き?いつもみたいにあんま抵抗しないね」
「そりゃコーヒー持ってるし、零したらアカンでしょ」
「ん、確かにそうだ」
そう言いながら私が手に持ったままのコーヒーを、挿してあるストローを屈みながら咥えて飲み始めた。
「ん、んまい」
傍から見てればクールイケメンなのに、こういう子供っぽい所も大好きだ。
「え、なになに?俺の事可愛いとか思っちゃったあ?」
「じ、自意識過剰ですよ、さとみさん。相変わらずカッコイイですよ」
「ふっ、何それ。ね、リビング行こ…?」
捲っていた袖をいつも通り萌え袖丈までブンブン振りながら戻し、パタパタと先を行くさとみ。
またその萌え袖が可愛い。