第2章 ももいろこーひー【桃】※裏有り※
「くろば、ここ」
リビングのソファに座り、両手を広げるさとみ。
そんなさとみの上に、アイスコーヒーをテーブルに置いてから座った。
するとさとみが私をそのままギュウッと抱き締める。
「ふぅ…回復回復…」
「私はポーションか何かですか?」
「俺にとっちゃ超SSレアな回復薬だね。あ、そうだ、久々にRPG系のゲーム長時間で撮ろうかな…」
お互いに仕事の事に口出しはしない。
共有しなければいけない事だけに関して話し合いを設ける。
そんな条件を作りながらの同棲。
なんといっても、私もさとみも断固同棲否定派だったからだ。
「ん〜、とりあえずくろば充電してから考える」
「はいはい」
ギュウッと馬乗りになっている私を抱き締めるさとみの頭を優しく撫でる。
「はぁ…癒される、やっぱ同棲最高」
「フフフ、そうだね」
「ね、くろば、コーヒー飲ませて」
そう言うと、私を抱えたまま状態を倒し、テーブルにあるアイスコーヒーのグラスを目の前で渡される。
「飲ませて?」
「ん、どうぞ」
「いや、ここは『はい、あ〜ん』だろ」
「ストローで?」
こんなやり取りも、なかなか時間の合わないさとみとの大切な時間。
「あーん!」
「はいはい、あーん」
「ん、やっぱ美味い」
ゴクリと喉を鳴らし、こちらを見上げながら舌をペロリと舐めるさとみ。
可愛かったりセクシーだったり、本当飽きない人だと思う。
そんな彼の様子を見ていたら、すっと顔が近付いて来て、口の中がほんのりコーヒーの味になった。
「ちょ、さとみさん、一回グラス置かせて…」
「そのくろばがたまにさん付けして俺の名前呼ぶの超萌える」
「え、じゃあこれからさん付けで呼ぼうか?」
「いや、そういう事じゃないんだよね」
相変わらずさとみのツボは謎が多い。
そんな事を思っていると、いつの間にか手に持っていたグラスはテーブル置かれ、再びさとみがキスをしてきた。
今度は私の後頭部を引き寄せながら。
「んっ、ふぁっ…」
「あ〜、めっちゃ良い声…超腰にクる」
「さとみ…」
「ん、もっとしよ?」
すっかりさとみの舌に翻弄されていると、下に履いている寝巻きの中にさとみの手がするりと忍び込んできた。