第5章 ももいろのちかい【桃】
くろばの指に、指輪をはめた。
永遠の愛を誓いながら。
早く俺も、くろばとお揃いの結婚指輪をしたい。
「ね、さとみ…」
「ん?」
「…やっぱりさ、指輪、今から買いに行かない?」
「え、なんで?」
俺と一日ゆっくり過ごすの嫌?
そうくろばに問い掛ける前に、くろばの方から口を開いた。
「…早く、さとみともお揃いの指輪つけたいなって」
「…ッ」
「で、でも、今度また休みがあった時で良いよ?」
あの日から、くろばは大分素直になった気がする。
「分かった。じゃあ指輪買いに行って、焼肉リベンジしてから…」
今日は二人でゆっくり過ごそ…?
そうくろばの耳元で囁く。
するとくろばが一瞬驚いたように目を開いたあと、優しく微笑みながらこう言った。
「喜んでっ…!」
この日から俺達は、夫婦になりました。
〜End〜