第4章 きいろのとびら【黄】
そしてその後トイレから戻ってきたるぅとに洗面台に行くように促され、鏡の前に立つと、先ほどるぅとにつけられたキスマークがくっきりと見えていて、私はその場にしゃがみこんでしまった。
どうしよう。
こ、これはなかなか恥ずかしいかもしれない…!
どんな顔をしてるぅとの所に戻れば良いのか。
今日は本当に、心臓がいくつあっても足りないかもしれない。
でも、これからはこんなドキドキした日がもっと増えるに違いない。
私達もこれからもっと大人になって。
私もるぅとも一緒に成長していって。
そう思ったら、だんだんと心臓も落ち着きを取り戻していった。
「…よしっ」
もう、どうにでもなれだ。
別に自暴自棄になったワケではない。
るぅとは私が本気で嫌がれば、絶対に酷い事はしてこないだろう。
それは今までるぅとと一緒に居た、私だけの確固たる自信。
「…くろば?」
そんな事を考えていると、私が洗面台に居る時間があまりにも長かったためか、るぅとが様子を見に来た。
「…くろば、その…本当にゴメンね?」
「……」
「くろば…?」
返答がない私にるぅとの不安がる声が聞こえる。
「あ、開けるよ…?」
その弱々しいるぅとの言葉と共に、洗面所の扉がゆっくりと開かれる。
それと同時に私がとった行動は…