第4章 きいろのとびら【黄】
「えーいっ…!!」
「わひゃっ…!!??」
るぅとに向かって思い切り抱き着いてやった。
わひゃ、だってさ。
「ちょ、ちょっとくろばッ…!」
「なによ!」
「だから驚かせないでってさっきも…!」
そんな事言うの…?
「こんなキスマークつけられて、なんだったら私の方が驚いてるけど…?」
「うっ…そ、それは本当にごめんなさい…」
あー…
ちょ、ちょっとやり過ぎたかな…?
「だから、もう良いってば」
そうだ。
ちゃんと出来るか分からないけど…
「じゃあさ、私もるぅとにつけても良い?」
「へ?な、何を…?」
「な、何をって…」
キスマークに決まってるでしょ。
まあ、つけた事一回もないけどさ。
「るぅとがつけたのに、私はつけちゃ駄目なんて事ないよね」
「そ、それはそうかもしれないけど…」
そう言いながら、るぅとが自分の首元を無意識に抑える。
なんか嫌がってるるぅと…
なんか良い。
あれ。
私なんか、へんな扉開いちゃった?
「…るぅと」
「な、なに?」
「…私なんか、変な扉開いちゃったかもしれない」
「へ…?」
ポカンと口をへの字に開けたままのるぅとに、再び抱き着いてキスマークをつけたのは、もう間もなくのこと。
やっぱりるぅとは可愛くて。
だけど、ふと見せる男らしい所はめちゃくちゃカッコよくて。
私だけの素敵な王子様。
〜End〜