第4章 きいろのとびら【黄】
そう私が言うとるぅとが照れて口元を抑える。
本当だよ…?
るぅとと一緒に居られるなら、場所なんて関係ないよ。
「フフフッ…!」
「な、何笑ってんの?」
「やっぱりるぅとは可愛いなって」
私がそう言うと、なんとも言えない顔をしながらるぅとが手を繋いできた。
「る、るぅと…?」
「僕んち行ったら、そんな風に笑ってる余裕ないかもよ…?」
「へっ!えっ…!?」
だ、だって私が良いっていうまで何もしないって…!
私が口をパクパクさせていると、るぅとが意地悪そうな顔で一言。
「嫌がる事は…ね?」
さっきとは違い、少し余裕そうな顔をしているるぅと。
「だ、騙したのっ…!?」
「アハハハッ!ほら、早くくろばの好きなケーキ屋さん寄って僕んち行こ?」
「…う、うん」
もう。
るぅとにイジワルされちゃったよ。
まあ、別にそれも悪くないけどさ。
それから、私の大好きなケーキ屋さんでケーキをいくつか買い、飲み物などをコンビニで買ってるぅとの家に辿り着いた。
「お、お邪魔しまぁーす…」
「はい、どうぞ〜」
うわあ、初のるぅとの家…
めっちゃテンションあがる…!
「テンション上がってくれるのは嬉しいけど、あんまり暴れて物とか壊さないでね?」
「そんなころちゃんみたいな事するワケないでしょ!」
ころちゃんだったらやりかねないもんね。
そんな事を考えていると、急にソファに座ったるぅとに思い切り腕を引っ張られた。
るぅとに抱き止められたから全然痛くはないけれど、それよりもるぅとがそんな行動をとった事に驚きを隠せなかった。
「あ、危ないでしょるぅとっ…!」
「…他の人の名前」
「へ?」
「他の男の名前、ここでは言わないで?」
他の男の名前って…
「こ、ころちゃんのこ…」
こと、と最後まで言う事が出来なかった。
何故ならるぅとが、私にキスをしてきたから。
「ん、んむっ…!」
「だから、ダメ…」
「る、るぅと…」
な、何なの一体。
拗ねてる顔は可愛いのに、私を抱き締めているるぅとの体は意外に大きくて。
それに暖かい。
そんな事を思っていたら、今度はソファにゆっくりと押し倒された。
「る、るぅと…」
「ゴメンね?僕、結構嫉妬深いから」
嫉妬深いるぅと…