第4章 きいろのとびら【黄】
あ、そっか。
だから即答で却下されて…
ん?
でも、ちょっと待って。
「そ、それって私の事を考えて?」
「…そうだよ」
じゃあ、私にちゃんと覚悟が出来てたら…
「そ、それでもるぅとの家に行きたいって言ったら、どうする…?」
「へ、えっ…?」
るぅととだったら別に構わない。
キスまでしかしてない私達。
でも、るぅととなら…
「…ほ、本当に?」
「うん…」
心臓の音がバクバクと鳴ってうるさい。
今の会話だけでこんな風になってしまうのに、もしその場面になったら一体自分はどうなるのか。
「ちょ、ちょっと、心の準備がっ…」
そう言って、るぅとが自分の顔を抑える。
耳まで赤い。
「そう、だよね。ゴメン、じゃあ今日はお家デートは止めて、どっかご飯でも食べに行こうか?」
私がそう言って歩き出すと、パシッと腕を掴まれた。
「る、るぅと?」
「…いや。やっぱり来て」
「え…?」
「僕の家…」
る、るぅとの家に?
「い、行っても良いの?」
「うん。というか、来てくれるの…?」
「…あっ」
そうだ。
るぅとの家に行くって事は…
そ、そういう事に…
「え、えっと、えっと…!」
そもそものきっかけは、私がるぅとの家に行きたいとワガママを言った事が始まりなのに、るぅとの問い掛けにさっと答える事の出来ない自分に腹が立った。
「大丈夫だから」
「え?」
「くろばが良いって言ってくれるまで待つし、それまでは絶対にくろばが嫌がる事はしないから…」
でもそれって…
「るぅとに我慢させちゃうって事だよね…?」
「我慢とかじゃなくて、僕がそうしたいの」
るぅと…
でもね。
私、るぅととだったら良いよ?
でも、そう言葉にするのは私にとってはあまりにもハードルが高くて。
私の気持ちが伝わりますように、そう思いながら優しくるぅとの手を握った。
「くろば…?」
「るぅとの家でも私の家でも、どっちでも良い」
「え?」
「早くるぅとと二人きりになりたい…」
私がそう言うと、再びるぅとの顔が真っ赤になった。
「ちょ、くろば、それは反則だからっ…」