第3章 2日目
料理長「あぁ、それならお安い御用だよ」
意外にも
あっさりと了承してくれた
『・・・えっ、いいんですか?』
料理長「むしろ、日替わりメニューの
全売り上げを花子さんに渡そう」
『えぇっ?!
そんなんじゃゴーストさん達
生活できないじゃないですか!!』
いやいやそれはマズイよ!!!!
料理人B「・・・いや、ここだけの話なんすけど」
料理人ゴーストさん達が近付いてきた
料理人A「・・・俺たちそれ以上の給料を
学園長からたんまり貰ってるんだ」
『・・・何ですって』
そんなの聞いてないぞ
料理人A「ゴニョゴニョ・・・・・・」
金額をこそっと教えて貰ったけど
『・・・・・・いいな・・・』
喉から手が出るほど羨ましいお給料でした
リッチゴーストさんだったのか・・・
料理長「では、日替わりメニューは
宜しく頼んだよ」
『・・・分かりました』
労働に見合った賃金を貰えると決まれば
俄然、やる気が湧いてくる
『・・・・・・やるしかない』
メニューの考案に時間を割いてしまったら
仕込み時間が無くなってしまう
視界に入った食料でパパッと作るしかない
『・・・鶏肉と卵・・・』
頭の中に浮かび上がってきたのは
鶏の唐揚げに卵を加えてアレンジした料理
唐揚げなんて適当にタレに漬けて
揚げてしまえば美味しいのだ
唐揚げとゆで卵を甘辛いタレで絡めて
なんやかんやしてしまえば
頭の悪そうな料理の出来上がりだ
『男子学生にはこんなもんで上等でしょ』
母親がよく言っていた
料理なんて適当だって
それでも
母親が作る料理は
世界一美味しかった
『・・・急がなきゃ』
時間が無い
料理が決まれば後は仕込みだ
私は今日から
この学園の生徒の為の
食堂おばちゃんになるのだ
まずは大量の鶏肉との格闘から始まる
『・・・本当はパイとかマカロンとか
可愛くてお洒落な食べ物作りたかったな』
だが目の前にあるのは
大量の鶏肉と卵だ
『・・・目指せ
ゆとりある、丁寧な生活・・・』
思わず本音が漏れてしまったが
それは収入が安定してからにしよう・・・