第1章 1日目
この時ばかりは
走るのが得意で産まれたかった・・・
体育会系に・・・なりたかった・・・
鍛えておけばよかった・・・
プロテイン飲んでおけばよかった・・・
でももう遅い
『無理・・・・・・はぁ・・・はぁ・・・』
無我夢中で知らない場所を走り回ったけど
体力も尽きてしまった…
『・・・終わった・・・』
無理だ、もう
走れない
『…ここまでか』
気がついたら
壁際に追い詰められていた
グリム「オレ様の鼻から逃げられると思ったか!
ニンゲンめ!」
グリム君がにじり寄ってくる
『・・・・・・ギ、ギブアップ…』
息も切れて動けない・・・
多分そんな走ってないと思うけど・・・
グリム「・・・・・・オマエの負けだニンゲン!」
『完敗です・・・』
そこら辺に
替えの服があれば
こんな服すぐあげれるのに・・・
グリム「丸焼きにされたくなかったら
その服をよこすんだゾ!」
何故か分からないけど
私の着ている服が欲しいらしい
流行ってるのかな知らない場所では
もしかしたら高く売れちゃうのか?!
確か着ていた服は激安Tシャツだぞ
『丸焼きと丸裸なら、丸裸を選びます・・・』
青白い炎はもう二度とゴメンだ
丸裸になったら
そこら辺のカーテンでも外して
ターザンみたいな格好するんだ・・・
『・・・ターザンも悪くないよね
・・・お洒落だし・・・』
今まで本当にありがとうございました
私、トイレの花子は
本日を持って
狸みたいなグリム君に完敗し
知らない場所で
丸裸になり「ふぎゃっ?!?!??!」
服を脱ごうとした瞬間だった
パチィンッーーーーー
何か紐?鞭が物体に当たったような音がした
『・・・・・・ん?』
「痛ぇゾ!!!なんだぁこの紐!!!!」
グリム?君?
とかいう狸の悲鳴が聞こえる
『助かった・・・?』
丸裸になると思っていた為
閉じていた目を開けると・・・
???「紐ではありません
愛 の 鞭 で す ! !」
『・・・・・・・・・』
もう
もう
驚きませんぞ
『・・・・・・・・・・・・コスプレ?』
だって喋る狸に比べたら
まだマシだ
???「・・・はい?」
私の目の前に
黒い帽子を被った仮面の男性が現れた