第2章 1.5日目
ディアソムニア寮にてーー
リリア「・・・にしても、マレウスよ
まだ入学式に出られなかった事を
拗ねているのか?」
マレウス「・・・拗ねてなどいない」
リリア「そうか、ならば
皆の服をまとめてクリーニングに
出そうと思うのじゃ。
マレウスの式典服も出してやろう」
マレウス「・・・僕は今回も式典服には
袖を通していない。
汚れようもないから、
クリーニングの必要はない」
・・・これは相当拗ねておると見た
リリア「よいではないか
偶には式典服もクローゼットから
出してやったほうが良いのじゃ」
マレウス「そんな事をしたって、
どうせ意味は無い」
リリア「意味が無いかは
今決める事ではないじゃろう」
マレウス「・・・これから先もきっと
式典服を着る事はない」
ここまで招待がこないと
マレウスが拗ねるのも仕方はないが・・・
いかんせん何かある度に拗ねられると
ネトゲをする時間が
大幅に減ってしまうのじゃ・・・
リリア「・・・マレウスよ
学園生活はまだまだ長い
いざ式典服が必要な時に
かび臭くては様にならんぞ?」
それを聞くとマレウスが考え込む
リリア「それにクリーニング位
出しても問題はないじゃろうて」
マレウス「・・・分かった」
リリア「では、
クリーニングに出しておくからの」
マレウス「そうだな、
リリアがそう言うなら
次の機会に備えるとしよう」
他の者がこの会話の光景を見たら
さぞ驚くであろう
リリア「・・・もしかしたら、
すぐ必要になる可能性は
ゼロではないのじゃよ」
マレウス「・・・そうかもしれないな」
マレウス・ドラコニア
世界屈指の魔法力を誇り
"茨の谷を統べる者"
"王の中の王"
"関わるだけで呪われる"
とまで
言われ
恐れられてしまう存在
だが
マレウス自身はまだ若く
足りないモノは多い
更に
様々な事柄に関して経験不足なのも事実
本人には幾度となく伝えてはいるが
まだ自覚ができてはおらん様子
この学園に入学させたのは
良い刺激になると考えたからなのじゃ