第2章 1.5日目
スカラビア寮にてーー
カリム「・・・ん~思い出せねぇ・・・」
入学式で助けてくれたヤツ
カリム「トイレの・・・って
言ってた気がすんだよなぁ」
顔を思い出そうにも
全然思い出せねぇ・・・
ジャミル「・・・どうかしたのか?
珍しく悩み事でも?」
ジャミルがニヤリと笑いながら話しかけてきた
カリム「オレを助けてくれたヤツの
顔がどうしても
思い出せないんだよな~」
トイレの・・・続きの名前
なんて言ってたんだっけなぁ~・・・
ジャミル「・・・助けてくれたって
お前また何かあったのか?!」
ジャミルの顔が豹変する
こいつはスゲぇ心配性だからな~・・・
カリム「あれ?言わなかったか?」
ジャミル「何も聞いてないけどな・・・」
はぁ・・・とジャミルが溜息を吐く
カリム「今日グリ・・・グリなんとかがな
暴れたんだよ」
なんだっけな~・・・
あのなんか猫みたいな動物の・・・
ジャミル「はぁ?!」
ジャミルの顔が険しくなる
カリム「突然暴れ出したんだよ
それでオレの式典服が燃えてさ~」
ジャミル「お、お前!!!
そういうのは早く言えって
いつも言ってるだろ!!」
カリム「悪ぃ!
でも本当怪我とかも
何もしてねぇんだぜ?」
ジャミル「・・・ったく、式典服出せ
新しく作って貰えるか
相談する」
カリム「・・・なぁ、ジャミル」
ジャミル「・・・なんだ?」
カリム「オレを助けてくれたヤツを
招待して宴をやりたいんだ!」
アイツ絶対良いヤツだから
招待して宴をして
あの時のお礼がしたいんだ
ジャミル「・・・でも、思い出せないんだろ?」
カリム「名前は聞いたんだよ
トイレのなんちゃらって
言ってたんだ」
ジャミル「トイレの・・・?
聞いた事がない名前だな」
カリム「・・・後、女性じゃなかったっけな」
そうだ
確か学園長が女性だなんだって
騒いでたんだ
ジャミル「ここは男子校だから
女性なんてあり得ないに
決まってるだろ」
カリム「いやでも、確かに
学園長が女性だって
騒いでた気がしたんだよな・・・」