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【ツイステ】学食アルバイト、はじめました

第2章 1.5日目



"魔法は使えないし
 これ位しかお礼はできないんですが"


「・・・優しそうな
 良い子なんですけどねぇ」

渡されたおにぎりを見つめる

彼女が魔力を有し、男性であれば

何か厄介事が起きた時に

任せる事ができそうで

大歓迎だったんですが・・・

「・・・トイレの 花子」

魔力を一切持たない少女が突如現れた

「・・・困りました・・・」

読んでいた本を綴じ

椅子に腰掛ける

「・・・何の情報も得られない」

闇の鏡によると

戻るべき故郷すら見あたらない

"ニホンです、アジアらへんです".

ニホン・・・アジア・・・

彼女は自分の故郷をそう呼んだ

一度も私が聞いた事のない地名

学園に戻った後も

様々な書籍を調べましたが

やはり何処にも見当たらない

「女性ですし、
 早く元の場所に戻してあげないと・・・」

ここは男子校だ

一応、絵画やゴーストでも

女性は”存在は”している

だが、生身の女性とは訳が違う

「・・・何かあってからじゃ
 遅いですからね」

これ以上

面倒事が増えてしまうのは

正直、勘弁して頂きたい

「・・・はぁ」

今日は色々なトラブルが続き

疲労がどっと押し寄せてくる

大好きなマジカルシフトの試合も

今日に限って

観戦する気力も沸いてこない

「・・・・・早く頂かないと
 冷めてしまいますね」

考え事をし過ぎて

小腹が空いてしまった

彼女が握ってくれたおにぎりは

まだ仄かに温かかった

「・・・よく知らない人物からの
 食べ物は受け取らない主義なのですが」

この学園は非常に

優秀な生徒が多い

だが

手のかかる生徒が多いのも事実

物や食べ物を受け取った日には

何か狙いがあるのではと

疑うに越した事はない

更に

本音を言ってしまえば

問題事に巻き込まれるのも

解決するのも

大の苦手であり得意ではない

できれば関わりたくない

「・・・・・・・・意外といけますね」

心の中で愚痴を吐きながら

おにぎりを少しずつ口に入れる

おにぎりなんて食べる機会は

なかった筈ですが・・・

「・・・やはり、疲れてるんですかね」

疲れから

思考が麻痺しているのだろうか

少しだけ

彼女との出会いに

なにか意味があるのではと

考えてしまった
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