第1章 1日目
『・・・・・・雨?』
掃除に集中しすぎて
気付かなかった
雨が降り始めていた
外は寒そうだ
『掃除続けな「ぎえー!急にひでえ雨だゾ」
『・・・え?!』
どこか聞き覚えのある声
あれは、あれはまさか
『グ、グリム君?!』
グリム「ぎゃっはっは!!!
コウモリが水鉄砲くらった
みたいな
間抜けな顔してるんだゾ!!」
灰色のモフモフ
青白い炎の色の耳
間違いなかった、無事だったんだ
『よ、よかった・・・』
グリム「・・・な、なんだゾ?!」
『心配してたんだよ、グリム君』
外は寒いし真っ暗で
酷い目にも遭ってないようで安心した
グリム「オ、オレ様の手にかかれば
もう一度学校に
忍び込む事くらい
チョロいチョロいんだゾ~!!」
心なしか、耳がピクピク動いている
もしかして嬉しかったのかな
グリム「ちょっと外に
放り出したくらいで、
オレ様が入学を
諦めると思ったら
大間違いなんだゾ!!」
『お~・・・凄い凄い・・・』
グリム「オレ様がどうして
この学園に入りたいか
知りたいか!ニンゲン!!」
『し、知りたい~・・・』
いや、可愛いし気になるんだけど
掃除もしなきゃ・・・
グリム「単純な話なんだゾ!
オレ様が大魔法士に
なるべくして
生を受けた
天才だからなんだゾ!」
『そうだったんだ・・・』
グリム君の話を聞きながら
床掃除をする
うん、綺麗になってきた
グリム「いつか黒い馬車が
迎えに来るのを
オレ様は
ずっとずっと待ってた。」
『・・・グ、グリム君?』
みるみるうちに
グリム君が涙目になっていく
グリム「なのに・・・なのに・・・
ふ、ふん!
闇の鏡も見る目が
ねーんだゾ。
だからオレ様のほうから
きてやったってわけだ。」
グリム君は目をごしごし拭って
話を続ける
なるほど、来ないなら来るという
斬新な発想だ
グリム「オレ様を入学させないなんて
この世界の損失だってのに、
ニンゲンどもは分かって
ねーんだゾ。」
『その考え方凄い・・・』
グリム君はポジティブだ