第1章 1日目
やっぱり
前言撤回します
『お、趣があり過ぎませんか・・・?』
目の前にはまるで
昔映画で観た
ホーンテッドマンションのような建物
夜だからか余計に雰囲気がある
カラスも鳴いてるし
墓地のようなものがちらほら・・・
え、これが趣のある建物なの?
いや確かにそうだけど
お化けでてきそうだよ・・・?
クロウリー「そうでしょう、
そうでしょう。
さあ中へどうぞ。」
そう言って
学園長はニコニコしながら
私を招き入れる
『・・・・・・う、うわぁ』
長年使用されてないんだ
扉がギシギシと音をたてている
それに玄関も蜘蛛の巣がびっしり・・・
クロウリー「花子さん
こちらが談話室になりますよ。」
『けほっ・・・けほ・・・は、はい』
ものすごく埃っぽい
紹介された談話室なる部屋をみてみると
朽ち果てた椅子に
剥がれかけた壁紙
長年使用されてない暖炉
傾いた絵画
大量の蜘蛛の巣・・・
それにしても埃っぽ過ぎて咳が止まらない
クロウリー「ここであれば
とりあえず雨風は
凌げるはずですよ」
雨風しか凌ぐ事以外
良さがなさそうなんですが
少しでも
教育者の鑑と思った私を返してくれ
『・・・夜通し大掃除しなきゃ・・・』
まぁでも仕方ない
与えられた環境で
今は頑張るしかないのだ
住めば都というし
よくよく見てみると
なかなか家具自体はお洒落だ
クロウリー「では、私は調べ物に
戻りますので
適当に過ごしていて下さい」
適当に過ごすって
これ今から大掃除ですよこれ
『わ、分かりました』
クロウリー「くれぐれも
学園内はウロウロしては
いけませんからね
それでは。」
『は、はい』
学園長は私の肩をポンと叩き
颯爽と去って行ってしまった
その証拠に開いたドアがギイギイと
音をたてている・・・
『掃除道具、掃除道具・・・』
掃除機やルンバはないけれど
ホウキや雑巾
バケツがあったので上等だ
『・・・やるか』
なんだかシンデレラになった気分
いや王子様はいないんですけど
魔法使いもガラスの靴も
絶対にないんですけどね