第1章 1日目
クロウリー「あ~
なんて優しいんでしょう、私!
教育者の鑑ですね。」
『・・・・・・そ、そうですね』
自分で言うんだそれ・・・
悪い人ではないけど、
やっぱり胡散臭い・・・
クロウリー「では善は急げです。
寮へ向かいましょう。
少し古いですが、
趣のある建物ですよ。」
そう言って学園長は歩き始めた
私も後を追って図書館を出る
やっぱりこの建物は少し怖いけど素敵だ
とても古そうだけど
掃除が行き届いていてお洒落だ
『わ、分かりました
見ず知らずの私に
ここまでして下さって
本当にありがとうございます。』
兎に角お礼は言わないと
一応お世話になるんだから
クロウリー「いえいえ・・・。
花子さんは本当に
この学園では珍しい
大人しく優しい方のようですね」
『あ、あ・・・ありがとうございます』
褒められるのに慣れていないので
少し顔が熱くなる
女友達に褒められるのと
少し違うからなのかな・・・
い、いや私は決して男好きではない
クロウリー「・・・花子さん
一つご忠告しておきましょう。」
『え、ちゅ忠告ですか?』
な、なんだなんだいきなり怖いぞ
クロウリー「ここは男子校です
それに私が言うのもなんですが、
非常に個性的な生徒が多く
ずば抜けた才能がある分
紙一重といいますか・・・」
『・・・天才故のってやつですか?』
クロウリー「・・・そうです。
少なくとも学園内で
生活していく上で
交流は避けられないと思います。
ですが用心はすべきです。
女性ですし、夜遅くまで
外出はしない方が良いでしょう。」
『分かりました、気をつけます』
胡散臭いながらも
やっぱり教育者なんだな・・・
クロウリー「何かあればですが・・・
ここにいる間は、
一応は花子さんの
保護者の代理のようなもの。
困った事があれば、
連絡して下さい。」
『・・・あ、ありがとうございます学園長』
少しだけ心がほっとした