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鯨人替え歌

第2章 枠外


nsut×nom 「白ノ娘」(友情系百合)

「生きていてごめんなさい」いつのまにか口癖
弱音ばかり吐いていたつまらぬだけの人生

村の人たちは皆、きれいな美男美女
仲間外れの私、人と違う太った体型

森の奥で密かにそびえ立つ綺麗な桜の木
私はここで一人女神に願いをかけた

孤独に生き続けることそれはとても寂しい
だれでもいい私の友達になって欲しい

彼女と出会ったのは桜の木のすぐそば
過労で倒れていた彼女を助けたのが始まり

いつのまにか二人はとても仲良くなって 彼女はまりやと言う名前だった
だけど私とまりやちゃんは何もかもが違った

村の中の誰よりきれいな黒いロングヘアの美女
その優しい声と笑顔と細い身体と優しい性格で誰からも愛された

どうしてこんな私にも優しくしてくれるの?
自分より劣る女を憐れんでるつもりなの?

卑屈な私を、潰れないように優しく抱きしめてまりやちゃんはささやいた
「直美ちゃんは誰より可愛くて優しくて素敵な人だよ」いい匂いがして、優しくて涙がこぼれた

たとえ世界の全ての人が私を蔑み笑っていじめて私を苦しめても
必要としてくれる人がいるそれだけで幸せだった

二人で村を飛び出して街で暮らし始めた
不慣れな生活でも、まりやちゃんと一緒なら大丈夫

裕福な商人の信行さんの奥様の婦人のセイラさんの使用人
生きるために選んだ私たちの仕事

ある日屋敷で見かけた 黒い髪の召使い
あのオトコとまりやちゃんの出会いが全てを狂わせた

海の向こうの国の女王 彼女はパーマをかけた、優しい王子を深く愛し
隣の国の王の求婚を拒んだ

国は戦火に包まれた王が下した命令
「あいつの国の住民をみんな殺せ」

みんなみんないなくなってしまった
見逃された太って醜い私以外
彼女の代わりに私が死ねばよかったのに
どうしてどうして

「生きていてごめんなさい」いつのまにか口癖
弱音ばかり吐いていたつまらぬだけの人生
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