【ハイキュー】私の苗字は角名になるのか宮になるのか
第2章 はじまり
「………久しぶり」
「うん。どうぞ」
「お邪魔します」
そう言って玄関で靴を脱いで揃える倫太郎をボーッと見る。
「背、すごい伸びたね」
「そうだね」
目の前にいるのは、私が知らない男の人だった。
「どうする?お母さんいないけど。リビング?」
「知ってる。おばさんさっき会った」
…………あぁ、だからか。
ストンと落ちる。
「久しぶりにの部屋行きたい」
そう言って、私の返事を待たずに階段を登り始める。
「…………麦茶持ってくる」
「ありがと」
キッチンでコップを二つ出して、麦茶を注ぐ。
…………はぁ
思わずため息
三年以上ぶりの倫太郎
本当に、全然知らない男の人だった。
階段を上る足取りが重い。
ドアの前でもう一度深く息を吐いて
両手が塞がっている私は、
右肘でドアノブを下ろす。
「なんか部屋、変わったね」
「そりゃ中学生の頃からは変わるよ。
はい、どうぞ」
テーブルに麦茶が入ったグラスを置いて
倫太郎の前に座った。
「ありがと。元気だった?」
「………うん。倫太郎は?」
「俺も元気」
「今もバレーやってるんでしょ?」
「うん」
「高校、どうだった?」
「………楽しかったよ」
「そっか。よかった」
"よかった"って言葉が自然と出てきた。
倫太郎が側にいてくれないこと、ずっと恨んでた。
だけど "よかった" って。
それも、本心だった。