第26章 仲直り（角名）

「姉ちゃんと会うの、言ってなかったのはゴメン」



「………うん」



「今度からは、ちゃんと言う」



「………うん」





少しずつ、いつものに戻っていく。





「俺がどれだけのこと好きか忘れた？」



「忘れてない………」





そう返ってきて、ふっと力が抜ける。





「、姉ちゃんと仲良くしてくれる？」



「うん。今度宮で一緒にご飯食べる」



「俺から言っておこうか？」



「治くんに言ってもらう。

あ、治くんにお土産持って行こうと思ってたのに」





隅に置かれた紙袋を見ながら





「今日治と約束してたの？」



「ううん。でもあおいさんと別れた後に寄ろうかなって思ってて。

だけどリンが来たから行けなかった」



「もういいんじゃない？」



「賞味期限もあるし早めに持ってく。

明日会社に忘れないようにしなきゃ」





"もういいんじゃない？" と言ったのは、

もう別れれば？だったんだけど


残念ながらそれは伝わらず。




ただ、俺に好きな人がいるかも？ってことだけでこんなに怒って

嫌だったと言ってくれるの確認ができたから。



まぁ散々な数日だったけど、

それはよかったかな？って思う。





（2021.7.9）